働く場所が違っても安心して行動できる指針をつくりたい。全メンバーを対象に「防災訓練」を実施しました!

こんにちは、ライターの塩原です。はたらクリエイトでは、災害が起きた際に適切な対応・行動が取れるよう、年に1回防災訓練を行っています。今回は、2022年6月21日に全メンバーを対象に実施した防災訓練について、目的や実施内容をご紹介します。

はたらクリエイトの防災への取り組み

現在、約130名のメンバーが働くはたらクリエイトでは、衛生委員会を中心として防災の意識を高める取り組みを実施しています。

上田・佐久の各オフィスには、災害時の初期対応や連絡先、避難先、避難経路や消火器の位置を確認できるよう、避難経路図を掲示。併せて、非常食や簡易トイレ、ヘルメットなどの防災備蓄の整備も進めています。

災害発生時のフローと避難経路

また、昨年度の避難訓練では、併設している託児所とも連携し、改めて避難経路を確認するとともに、託児所の子どもの引き渡し訓練や消火器による初期消火の練習、消防への電話シミュレーションを行いました。

2022年防災訓練の目的とポイント

今回の防災訓練は、「出社しているメンバーが安全に避難できること」「はたらクリエイト全メンバーの安否確認ができること」の2つを目的として行いました。その上で意識したポイントを2つお話しします。

全メンバーを対象に実施

はたらクリエイトは長野県の上田市と佐久市にオフィスがあり、オフィスに出社をしているメンバーもいれば、在宅勤務をしているメンバー、県外での完全リモート勤務をしているメンバーもいます。

出社と在宅勤務の両方を取り入れて働くメンバーも多く、災害が発生するその日・そのときに自分がどこで仕事をしているかも予測できないことから、今回の防災訓練は全メンバーを対象に実施。オフィスに出社しているメンバーが避難行動訓練を行うだけでなく、リモートメンバーや当日欠席をしたメンバーにも避難訓練時の様子を動画で共有し、訓練を通して各自が災害時の行動をシミュレーションできるようにしました。

「火災が起きたら通報する」「怪我人が出たら手当をする」など、災害時に取るべき行動は場所を問いません。「災害が起きたときにどのような行動をとればよいのか」「オフィスでの被災時にはどのような役割があるのか」をメンバー全員が知り、日頃の防災意識を高めることも、今回意識したポイントです。

【災害発生時の避難と安否確認】のフローを確立する

はたらクリエイトはフレックスタイム制の勤務のため、オフィスに出社しているメンバーの顔ぶれや人数は毎日異なります。また、自分のいる場所と災害発生地に距離があった場合、次にどのような行動をとるべきか不安になるメンバーがいることも考えられます。

そこで、今回は、「メンバー(休み)」「メンバー(リモート)」「メンバー(出社)」「衛生委員会」「託児所」それぞれの、「災害発生」から「避難」「安否確認」「会社方針の広報」までの具体的な流れや取るべき行動を一覧化。どの状況になった場合でもスピード感を持って適切な行動がとれるよう、また、実際に災害が起きた際の不安を事前にできる限り取り除けるよう、一覧化したフローを全メンバーに事前共有した上で防災訓練に臨みました。

災害発生時の避難と安否確認のフロー図

上図を拡大して見る

今回の訓練内容

防災訓練の内容を、流れに沿ってご紹介します。今回は、以下の前提条件で訓練を行いました。

①災害発生、身の安全確保

今回は「震度6強の地震発生後、オフィスのキッチンから火災が発生した」ことを想定しました。「緊急地震速報」が流れ、拠点リーダー(衛生委員会)の指示に従い身の安全を確保します。

避難訓練の様子

②安全確認、係活動、避難行動

揺れが収まったところで、衛生委員会または拠点リーダーが災害発生時の係を任命。任命されたメンバーは、指示のもと係活動を行います。各係の具体的な役割は以下の通りです。

拠点リーダーすべての役割分担の確認、指示、安全確認
避難誘導係避難経路の確保、安全な誘導、点呼、負傷者の有無を確認
救護係けが人の状況確認、手当、子の引き渡し補助
通報連絡係消防・救急への通報、社内調整、社員への広報
初期消火係初期消火活動、消火可不可判断
託児係子どもの安全確保、避難誘導、引き渡し

災害発生時に特定のメンバーがいるとは限らないため、訓練時の係も当日出社しているメンバーの中からその場で指名。その後、被害状況や避難経路などが確認できたら、拠点リーダーの指示に従い避難を開始します。

避難訓練の様子2
避難訓練の様子3

実際の災害時には、避難行動が終了したら、オフィスに出社しているメンバーは各自帰宅が促されます。

③安否確認

避難行動終了後には、日頃使用しているコミュニケーションツールを使用し、安否確認のためのアンケートフォームを全員に広報します。これは、今回の防災訓練の前提条件と、在宅勤務やフルリモートのメンバーがいること、メンバーが移動中の可能性もあることなどを考慮した内容です。

また、東日本大震災の際に、「通信が安定してきた」「次のことを考えられるようになった」のが3日と言われていることを根拠に、「アンケートフォームの回答期限」も3日以内としました。

しかし、今回想定した前提で実際の災害が起きるとは限りません。また、メンバーの安全確認をする側が被災する可能性もあります。今回の訓練では、実際に起きた過去の例を教訓に、会社からの「安否確認の全体広報」が行われるまでにも最大3日間を要する可能性があること、また連絡手段としてスマートフォンを使用するケースが多いことを想定し、相手の電力を消費しない意識の必要性もメンバーに向けてアナウンスしました。

④フィードバックアンケート

訓練終了後は、以下の内容でアンケートを実施しました。

・災害時の避難行動について理解することができたか
・災害発生時の役割について理解できたか
・役割を担うことになった場合、どのような準備があれば対応できそうか
・安否確認の流れについて理解できたか

今回の訓練で災害時の係に任命されなかったとしても、実際に災害が起きた際には、自分も何かしらの役割を担う可能性があります。アンケートには、「それぞれの役割を担うことになった場合、自分にどのような備えがあれば対応できるか」を考えることで、自分ごとにしたいという衛生管理者の想いが込められています。

メンバーの声

今回の防災訓練について、メンバーに感想を聞きました。

【オフィスで訓練に参加したメンバー・動画を確認したメンバー】

緊張感が伝わり、とても身になる訓練になりました。災害の種類もさまざまなので、定期的に訓練をしたいと思いました。(Fさん)

数日前に近県で地震が起きたばかりだったので、他人事ではないという気持ちで臨みました。日頃の防災意識を高めるよい機会になりました。(Yさん)

欠席したため動画での確認でしたが、実際に災害が起きた場合をリアルに想像することができました。あらゆる事態を想定しておくことの大切さを学びました。(Tさん)

【役割を担当したメンバー】

どのように対応したらよいのかわからず、丸腰で火災現場に向かってしまい、後になって消火器を持っていくべきだったと気付きました。いざという時に冷静に行動できるように、消火器の位置などを確認しておこうと思いました。(Tさん:初期消火係)

自分が任命されるとは思わず、びっくりしました。災害時に任命されていたら慌ててしまったと思うので、今回の訓練で経験ができてよかったです。(Sさん:避難誘導係)

任命されて驚きましたが、救護はやることが明確だったので、迷いはありませんでした。(Mさん:救護係)

防災訓練の様子やアンケートの声を受けて、衛生管理者の清水さんはこのように話します。

今回はネットワークの接続だけは可能という前提で訓練を行いましたが、実際に被災したとき、「メンバー全員の安否確認がきちんと行えるのか」「どれだけのスピード感を持って対応できるのか」ということには、正直まだ不安があります。

ただ、フィードバックのアンケートでは、すぐに解決できるものから中長期的な時間を要するものまで、さまざまな課題や対策が具体的に挙げられていました。例えば、「いざという時にパニックになり、何もできないかもしれないという不安がある」「拠点リーダーの声が聞き取りにくかった」など、多数の声が集まっているものは優先順位の高いものだということもわかりましたね。これらについては、早速「持ち出し用救護バッグの中にマニュアルを用意」「拡声器・ホイッスルなどの備品の整備」など、改善のための準備を進めています。消火器の位置もわかる避難経路のポスターが、意外と目に留まっていないこともわかったので、改めて広報したり、掲示場所を改善したりしようと対策を検討中です。

メンバーの不安を最低限に留め、できるだけ安全でスマートな避難が行えるよう、ハード面とソフト面それぞれを改善するとともに、防災時のフローも最適なものにブラッシュアップしていきたいです。

防災について考えるきっかけに

防災訓練は、日頃の防災意識を高めるためにも、実際の災害発生時に冷静で迅速な行動をとるためにも、重要な取り組みです。はたらクリエイトでは、今回の防災訓練で得た気付きを取り入れながら、今後も定期的に訓練を実施していきます。