キャリアを諦めなくてもいい。女性が活躍できる環境をつくるために導入した制度や雇用形態の仕組み

キャリアを諦めなくてもいい。女性が活躍できる環境をつくるために導入した制度や雇用形態の仕組み

「地方における女性活躍推進」は、社会課題としても取り上げられる問題です。

現在、はたらクリエイトグループでは、子育て中の女性を中心とする約100名のスタッフが働いていますが、立ち上げ当初から「どうしたら環境や属性による制約を越えて、女性が働きつづけることができるのか」を考え続けてきました。

その中で、さまざまな要因や取り組むべき領域はあるものの、女性たちが仕事をしていくために適切な会社環境をつくることが、本質的な女性活躍には必要だと実感しています。

今回は、地方で女性のキャリア形成を実現するために、現在はたらクリエイトグループが導入している、働き方や雇用形態の仕組みを紹介します。女性が活躍できる組織づくりの参考になれば幸いです。

子育て中のキャリアを支える働き方

子育て中の女性は、パートナーの仕事や子どもの体調不良など、家族の生活が自分の仕事や働き方に直結しやすいのが現状です。実際に、はたらクリエイトグループの中にも、「周りに迷惑をかけてしまうのでは、と思うと再就職も気兼ねしてしまう」など、社会復帰に際して足が遠のく経験をしたというスタッフもいます。

そんな女性たちが、気兼ねせずにチャレンジできる環境を作りたい、と考え取り入れたのが、柔軟な働き方を可能にする仕組みです。

フレックスタイム制

子どもの体調不良による急な休みや、幼稚園や保育園、学校行事にも気兼ねなく参加できるようにと導入した「フレックスタイム制」。子どもの送迎時間に合わせて出勤退勤時刻を調整したり、習い事の日は早めに帰宅できるようにしたりと、柔軟なシフト設計を可能にしています。

一般的に、フレックスタイム制というと、それぞれのスタッフが自由な時間で働いているイメージが強いかもしれません。しかし、はたらクリエイトグループでは、基本的な労働時間の補填としてフレックスタイム制を取り入れています。そういった活用をするのは、業務に支障を出さないようにすることも理由の一つ。パートタイマー含む、すべての雇用形態に適用している働き方のため、あくまで補助的な位置づけで活用しながら、雇用形態問わず急なシフト変更を可能とすることで、スタッフの働きやすさを実現しています。

<フレックスタイム制を活用するスタッフの声>

●子どもの習い事で早く帰らなければいけないときは、別の日を長くするなど調整できるので、フルタイムでも働くことができています。

●子どもの行事のたびにお休みを取らずに済むので、一緒に働く仲間にも気兼ねすることなく仕事が続けられてます。

在宅勤務

基本的には出社を推奨していますが、働き方を広げる目的で取り入れているのが「在宅勤務」です。現在、在宅勤務は「入社後6カ月の研修期間を終えている」「所属チームの上長の許可がある」など、一定の条件を満たすことで活用できます。

過去にコロナウイルスの影響下では、在宅勤務がスタンダードになった時期もありました。現在は、チーム間の連携を円滑にしたい、顔を合わせて仕事をしたい、という方針から、在宅勤務を活用する場合も、基本的には週2日出社することを約束事にしています。

<在宅勤務を活用するスタッフの声>

●在宅勤務ができると、通常通勤時間にかかる時間も業務時間に充てられるため、労働時間が長くなる契約社員へのステップアップもしやすかったです。

●子どもが少し風邪気味で学校を休ませているときなど、わたしも仕事をする余裕があるので、在宅勤務ができると収入への影響も最低限にすることができます。

リモートワーク(フルリモート)

パートナーの転勤や引っ越しなどがあっても、仕事を続けられるようにと取り入れた「リモートワーク」。パソコンで仕事をする業務であることが前提になるため、どこでも取り入れられる働き方ではありませんが、現在も、県外からフルリモートで活躍するスタッフが数名在籍しています。

引っ越し後にリモートワークをしながら新たな就職先を見つけ、別の道へキャリアアップをしていく仲間もいますが、仕事にブランクを作らない仕組みとしても、活用できると感じています。その一方で、対応業務が限られてしまうケースもあるため、今後より効果的な働き方にしていくためにも、ガイドラインの策定やルールの検討を続けていく予定です。

<リモートワークを活用するスタッフの声>

●お客様と直接やりとりをする仕事にやりがいを感じていました。リモートワークで継続できると分かったときは嬉しかったです。

●夫が全国転勤のある仕事なので、引越しのたびに新しい仕事を見つけるのは大変です。長期的な視点でキャリアを積みたいと考え、リモートワークで働きつづけたいと思いました。

ステップアップを促す雇用形態の仕組み

子育て中の女性が仕事をしようと考えたとき、「子どもとの時間もなるべく取りたい」「保育園や幼稚園に預けている間だけできる仕事はないか」と考える方も多いのではないでしょうか。実際、はたらクリエイトグループもパートタイマーからスタートするスタッフが大半を占めており、最初から正社員として働くのは、躊躇する、という方も少なくありません。

そのような中、はたらクリエイトグループでは、スタッフそれぞれのライフステージの状況や、一人ひとりの意欲に応じて、パートタイマーから正社員へステップアップできる仕組みを構築しています。雇用形態だけとれば、どの企業にもある一般的なものですが、パートタイマーで入社したスタッフが、徐々に労働時間を延ばし、正社員までチャレンジしていくことを可能にしているのが特徴です。

雇用形態1日の所定労働時間雇用期間の定め社会保険
パートタイマー1日/6時間以内あり・雇用保険
※対象者のみ
契約社員1日/6.5~8時間あり・健康保険
・厚生年金
・雇用保険
正社員1日/8時間なし・健康保険
・厚生年金
・雇用保険

パートタイマー

パートタイマーは、期間を定めて短時間で働く雇用形態です。現在も、スタッフの大半がパートタイマーとして働いています。原則となる始業・終業時間の範囲内で、担当する業務内容やスタッフ本人の希望等を加味して相談しながら、個別に労働契約を結んでいるのも特徴。パートタイマーでも労働時間を個別設計できる仕組みを採用しています。

また、一定の条件を満たすことで、契約社員転換も可能にしています。子育てが落ち着いた頃、仕事でできることを増やしたいときなど、スタッフの意欲とスキル面を考慮しながら、さらなるキャリアアップを目指すことができます。

契約社員

契約社員は、期間の定めはあるものの、それ以外の労働条件は正社員と同様の雇用形態です。「扶養の範囲を超えて、収入を増やしていきたい」「時間を増やしてより裁量の大きい仕事にチャレンジしていきたい」「正社員になる前に、自分に可能な働き方かチャレンジしたい」というスタッフが、パートタイマーから転換しています。

労働時間も、1日6.5時間~8時間の間で、本人の希望や状況を加味して決定。契約社員として徐々に労働時間を延長し、自信を持って正社員へとステップアップできる仕組みとしたのも、ライフワークバランスを崩さず、ステップアップを後押しする工夫です。

正社員(フルタイム・短時間正社員)

正社員は、期間の定めを設けずに働く雇用形態です。他の雇用形態に比べて仕事にコミットする時間が長いため、現在は各事業部マネージャーなどの管理職や特定分野の専門職として活躍するスタッフが多くいます。

正社員転換後も、一定の条件のもとで活用できる法定外時短勤務制度があるため、子育てや介護等を理由に、1日最大1.5時間の勤務時間の短縮も可能。はたらクリエイトグループの中でキャリアアップしていきたいと考えるスタッフを応援する仕組みです。

女性が活躍できる土台を作り続ける

子育てや家庭など、自分の生活を考えたとき、再就職に際して何かしらの不安を抱く女性は、想像以上に多くいます。その中で感じたのが、女性が働き続けられる会社をつくることが、不安や就職後の働きにくさを解消し、本質的な女性活躍につながっていくということでした。

わたしたちがこれまで作ってきた働き方を広げる仕組みや制度のほとんどは、スタッフの声をきっかけに生まれたもの。「どうしたらみんながやりがいを感じながら、楽しく働いていけるのか」を考えて取り入れたことばかりです。

これからも、組織の変化に合わせて生まれる課題に向き合い、スタッフが自分の仕事を諦めなくていい会社づくりに挑戦しつづけていきたいと考えています。そして、チャレンジをともにできる仲間が、全国に増えることを願っています。

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