はたらクリエイトの組織づくり第一章|はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ人を増やす(2017年~2022年)

はたらクリエイトの組織づくり第一章|はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ人を増やす(2017年~2022年)

長野県上田市・佐久市に拠点を持ち、約100名のスタッフが在籍しているはたらクリエイトグループ。2017年の会社設立以来、「banso.」というアウトソーシングサービスの展開を通じて、組織を拡大させてきました。
わたしたちの特徴は、スタッフの9割以上が女性であること。出産・子育てを経験している女性が多く在籍しており、常時5~10%が産育休に入っています。

会社設立から7年が経った今、組織の成長とともに会社として目指すことも進化させていく必要があると実感する日々ですが、今回は、2017年~2022年を“はたらクリエイトの組織づくり第一章”としてお伝えします。

当時目指していたことや、それにともなって感じたこと、そして今何を思うのか、これまでの変遷をお読みいただけると嬉しいです。

はたらクリエイトの誕生

はたらクリエイト設立前、わたしたちはコワーキングスペース運営を行っていました。その中で直面したのが「地方における女性のキャリア断絶」という課題です。当時耳にした「子育てをしながら働ける職場がない」という声をきっかけに、そこからは「女性と社会をつなぐコワーキングスペース」としてコミュニティを醸成していきます。

こうした活動を経て、一般社団法人として事業を開始。2017年には、前身の活動の影響もあってか、地域では「子育て中の女性たちが働きやすい職場」というイメージが広がっていました。

求められる「価値」と「働き方」

その後、半年間で約40名の子育て中の女性が、スタッフとして加わりました。一方で、「サービス・組織として社会に提供していく価値」を十分に定義できていないまま急速に組織をつくったため、事業開始当初は「クライアントからサービスとして求められる価値」と「スタッフそれぞれが求める働き方」のギャップが大きかったと感じます。

しかし、このギャップを埋めなければ、地方で女性のキャリアは築けない。

求められる価値、自分たちにできること、これからも大事にしたいこと、さまざまな思いの狭間で、わたしたちはどこに向かうのか悩むことが多くなってきたとき、「株式会社はたらクリエイト」という社名と、「はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ人を増やす」というミッションが生まれました。

目指したのは「働き方をみんなでつくっていくこと・それを楽しんでいくこと」

「女性が笑顔でいられることで子どもにも良い影響をつくりたい」
「いまは子育て中の女性が中心だけど、さまざまな事情から働くハードルがある人たちが、挑戦していけるような仕組みをつくっていきたい」
「社会的価値だけでなく、経済的価値も生み出す集団であり続けたい」

さまざまな思いから生まれたはたらクリエイトという言葉。「働き方をみんなでつくっていくこと・それを楽しんでいくこと」を目指し、さらなる組織づくりが始まります。

ビジョン・バリューの策定

当時、バリューとして掲げていたのは、「とにかくやってみてから振り返ろう!」「変化を楽しもう!」「disagreeをagreeしよう!」の3つでした。

未経験で入社したスタッフからよく耳にしたのが、「やったことがないから不安」「成長できているのか自信がない」「なぜこういう考えをするのか理解できない」という声。それを払拭しながら、「はたらくをクリエイトしながら仕事を楽しんでいる」スタッフの行動や発言をブレストすることからはじめてできたのがバリューです。同時に、組織・サービスの基盤が確立されてきた2019年頃、サービスを通して目指す未来や大事にしたいことをビジョンとして定義します。

MVV浸透のための取り組みを強化

MVVの浸透を目的に、さまざまな取り組みが生まれたのが2020年頃。さまざまな企画の中で、ワークショップや研修など、業務以外のことにスタッフ全員で取り組む機会を増やしました。そこには、「MVVを自分事として考えてほしい」「会社とスタッフとの価値観の不一致を減らしたい」という、組織であれば誰もがぶち当たる思いがあったと思います。

その後、組織の意識にも変化が見られ、ビジョン・バリュー策定後約2年で体現するスタッフが多くなってきたことを実感しました。

初めての組織づくりを実践する中でうまれた「はたらクリエイト」らしさ

そして、社内の取り組みに多くの時間を割いてきたこの期間で生まれた「はたらクリエイトらしさ」は、これからも大切にしていきたいカルチャーになりました。

●助け合い、補い合いながらチームで仕事をすること
●上下のない、オープンな人間関係
●ネガティブな変化をポジティブに変換する意識
●一人ひとりの思いや感情を聞く時間を惜しまないこと など

大なり小なり、業務以外でたくさんの取り組みを実施してきた時間は、チームや事業部を超えたコミュニケーションを活発化させてくれました。そのおかげで、会社としての一体感を感じる機会は、スタッフにとっても多かったのではないかと感じています。

また、スタッフ一人ひとりの思いや感情の声とは、できる限り向き合うのが当たり前にもなりました。もちろんそのときどきでネガティブ・ポジティブ両方の声がありますが、そういった声を聞くために臨時で行われる面談の多さも、はたらクリエイトらしい素敵なカルチャーです。

新たな課題として見えてきたこと

これからも大切にしたい“らしさ”が生まれた一方で、この先の未来を描こうとしたときには、これまでのやり方・考え方のままでは、課題となるものも見えてきました。

●マネジメントを移管できず、中間管理層への底上げがされない
●取り組みが組織づくりに傾倒し、事業発展のための還元がされにくい
●頑張る人に負担が偏ってしまう
●MVVと戦略、戦術、計画が一体となっていない など

組織の拡大が急速だったことから、「マネジメント層=取締役」という組織体系にならざるを得なかったこともあり、マネージャーを含む中間管理層が育成しきれない現状がありました。また、これまでのミッションは、自らが考える「問い」としては、とても馴染みやすいものであった一方で、本来の意味が散漫になりつつあったとも感じます。そして、スタッフが成長し、できることが増え、求められる価値を提供できるようになった今、それを公平に還元できる仕組みも必要になりました。

スタッフと一緒に成長しつづけられる組織であるために

組織とは、誰か一人の力でつくれるものではなく、さまざまな価値観や属性の人たちが集まってできるものです。そして、そこに属している一人ひとりの言葉や行動が組織のカルチャーになります。

組織づくりに正解はなく、そのときどきの状態や課題に合わせて、何をしていくのか、どうやっていくのかを考えなえればなりません。第二章が始まった今、組織が大きく成長を続けるためには、未来に向けて進化していくことも大切だと感じています。

もちろん変化はアレルギーにもなり得ますが、それを楽しむはたらクリエイトらしいカルチャーを忘れずに。この先もスタッフとともに成長し続けられる組織をつくっていきたいと思います。

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