仕事への価値観がわかる「キャリア・アンカー」診断を実施。フィットする人材採用や価値観を活かした人事開発にも

キャリアアンカーの用紙を持つ女性

 

こんにちは、取締役COO キャリアコンサルタントの高木です。

高木 奈津子|たかぎ なつこ
長野県上田市で株式会社はたらクリエイトを設立。取締役COO、キャリアコンサルタント。出産・介護・パートナーの転勤等を理由に、仕事にブランクがある約100人の女性を雇用し、キャリア再構築の仕組みづくり・組織開発に取り組む。共に創る / 補い活かし合う / リモートチーム / 仕事を楽しむ人を増やす
Twitter:@hatakuri_takagi

 

はたらクリエイトでは、採用や人材開発で「キャリア・アンカー」の診断テストを取り入れています。今回は、「キャリア・アンカーとはどのような診断なのか」に加えて、はたらクリエイトでの実施のタイミング、実際に診断してもらうときのポイントについてご紹介します。
 

キャリア・アンカーとは

キャリア・アンカーとは、個人がキャリアを選択する際に『自分にとって最も大事で、これだけはどうしても犠牲にできない』という価値観や欲求、動機や能力などを指す言葉です。キャリア・アンカーには以下8つの分類があり、診断テストをすることで、自身の価値観の傾向を知ることができます。

<キャリアアンカーの8つの分類>
① 専門・機能的能力(Technical / functional competence)
② 管理能力(Managerial competence)
③ 自律・独立(Autonomy / independence)
④ 保証・安定(Security / stability)
⑤ 創造性(Entrepreneurial creativity)
⑥ 奉仕・社会貢献(Service / dedication to a cause)
⑦ 純粋な挑戦(Pure challenge)
⑧ ワークライフバランス(Lifestyle)

※キャリア・アンカーについての詳しい説明は以下の記事でご確認ください!

 

キャリア・アンカーの活用タイミング

はたらクリエイトでは、採用や人材開発の場面でキャリア・アンカーを取り入れています。活用するタイミングは「会社説明会」と「入社3カ月目研修」の主に2回です。

 

(1)会社説明会

はたらクリエイトでは採用選考に進む前に、会社説明会を行なっています。
会社説明会では『企業理解』『お金の理解』『自己理解』の順に実施。はたらクリエイトの事業や取り組み、働き方など『企業理解』や、収入や保険・税金に関する『お金の理解』をした後に、『自己理解』を深める手段としてキャリア・アンカーのワークを行ないます。
こうすることで、説明会参加者が「これから自分が働くうえで目指していくこと」や、「大事にしたいもの」を具体的にイメージすることで、会社を選ぶときの判断材料にしてもらい、入社後のミスマッチを減らしたいからです。

 

(2)入社3カ月目研修

入社後3カ月が経過したタイミングに行なう研修では、振り返りの題材としてキャリア・アンカーを見直す時間を設けています。「入社前に大事にしたいと思っていたことを今も大事にできているか」、「仕事への価値観に変化はあったか」などを振り返り、スタッフ同士でシェアします。

業務の振り返るための記入用紙

 

(3)全員分のキャリア・アンカーを常時掲示

はたらクリエイトでは、全員分のキャリア・アンカーの診断結果とワークシートを、各オフィスの通路に貼り出しています。
オフィスの壁に貼られた用紙
 
※ストレングスファインダーをもとにした「取扱説明書」と一緒に掲示
オフィスの壁に貼られた用紙

入社3カ月目研修以降も、いつでも見返すことができ、出勤時や休憩時間中などに自分や仲間の診断結果を確認するスタッフもいます。自分が大事にしたいことを再認識したり、チームメンバーがお互いの価値観の違いを深めたりするツールになっているようです。

 

キャリア・アンカー診断してもらうときの3つのポイント

実際に、私たちがスタッフにキャリア・アンカー診断をしてもらうときに意識していることをご紹介します。

 

(1)直感で回答する

質問内容に対して時間をかけて深く考えるスタッフもいますが、直感で回答することを勧めています。人間誰しも「こういう人だと思われたい」「よい一面を見せたい」という感情を持っていると思うので、「10分以内ですべて回答」というように時間を決めて回答してもらうことがポイントです。

 

(2)診断結果を参考材料として受け止める

診断後、本人は意識していないような意外な結果に驚くスタッフがいました。キャリア・アンカーの診断結果は「こういう結果が出たから◯◯でなければいけない」というものではなく、あくまで「自身の理解を深めるための参考材料のひとつ」として捉えて活用することが大切です。また、説明会で実施するときも「この結果が出たから採用・不採用」というわけではなく、参加者にも「結果が選考に直結するわけではない」ということを伝えるようにしています。

 

(3)自分の言葉で置き換える

診断結果が出た後は、改めて自分にとって働くうえで大事にしたい項目を3つ選び、自分の言葉で具体的に書き出してもらっています。診断結果を自分なりに咀嚼してアウトプットすることで、より”自分の価値観”に腹落ちできるのではないかと考えています。
 

キャリア・アンカーを社内で取り入れたきっかけ

はたらクリエイトでは、会社を設立した2017年頃からキャリア・アンカーを取り入れるようになりました。そのきっかけについて簡単にご紹介します。

 

「何をしたいか」よりも「どうありたいか」

スタッフとの面談で「どんなことをしたい?」と質問をすることが多かったのですが、ほとんどのスタッフから「わからない」という答えが返ってきました。理由を聞いてみると、「仕事へのブランクが長くて、どんな仕事の可能性があるのかイメージがわかない」「子育て中、自分の”やりたいこと”を考えることがなかった」ということです。
そこで、環境や働き方が変わってもブレない、『軸』となるような価値観を見つけるきっかけになればと思い、キャリア・アンカーを実施してみることにしました。

 

同じ「子育て中の女性」でも仕事への価値観やスタンスは人それぞれ

スタッフのほとんどが「子育て中の女性」ですが、一人ひとりと話をすると、仕事への価値観やスタンスはそれぞれ違うものでした。そんな中で「子どもが小さいから、責任や変化のある仕事はしたくないはず」などと固定概念を持って範囲を決めてしまうことで、本人の可能性を狭めてしまうことにもつながりかねません。キャリア・アンカーの診断結果を共有することで、それぞれの違いを受け止め、活かしあえる関係性を築けたらいいなと考えています。
用紙に記入している女性

 

スタッフの声

実際にキャリア・アンカーの診断・ワークを行なったスタッフに話を聞いてみました。

<キャリア・アンカーの診断・ワークを実施したスタッフの声>
・自分らしいと思える診断結果でした。また、他の人の結果も知ることで業務での接し方を意識するようになったと思います。(Tさん)
・私にとっては少し意外な結果でしたが、自分では意識していないけれど、こういう一面もあるのかもと受け止めることができました。(Mさん)
・今まで働いた会社ではキャリア・アンカー診断をしたことがありませんでした。自分の大事にしたいことを意識しながら、どのような働き方をしたいかを考えるよい機会になりました。(Sさん)

多くのスタッフから「価値観を再認識するよい機会になった」という感想がありました。2年以上在籍するスタッフからは、「久しぶりにもう一度診断してみたい」という声も聞かれたので、今後実施の機会を検討したいと思います。

 

価値観を活かして、より仕事を楽しもう

キャリア・アンカーを通してスタッフそれぞれの仕事に対する価値観を共有することができました。会社説明会に取り入れることで、参加者自身が「価値観が会社にフィットするか」をより判断しやすくなり、採用後のミスマッチも減ってきています。
スタッフの価値観を活かすひとつの方法として、キャリア・アンカーを取り入れてみてはいかがでしょうか。

 
hatakuriを運営する「株式会社はたらクリエイト」の詳細は、こちらのアニュアルレポートをご覧ください。

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