仕事の価値観を醸成するきっかけとしてキャリア・アンカーを実施

仕事の価値観を醸成するきっかけとしてキャリア・アンカーを実施

はたらクリエイトグループには、子育て中の女性が多く在籍しています。一人ひとり子どもの年齢や入社前の経験も違いますし、入社時の「働くこと」や「仕事」に対する価値観も異なります。

地方で女性のキャリアをつくるためには、働く本人の価値観や意欲がなければ、実現できません。ですが、そもそも自分の仕事観やキャリア観というものを考えたことがない、といったスタッフも多くいます。

これまで、はたらクリエイトグループでは、スタッフが自分のキャリアについて考える機会を設けてきました。その一つがキャリア・アンカーです。「わたしはなぜ仕事をするのか」「わたしが仕事をする上で重要視することは何か」など、自分の価値観を理解した上で仕事に取り組む。そうすることで、その後のキャリア感の変化や自己成長を意識するきっかけがつくれます。

わたしたちが過去に取り入れていたキャリア・アンカーについて、当時の活用方法をご紹介します。

キャリア・アンカーとは

キャリア・アンカーとは、個人がキャリアを選択する際に「自分にとって最も大事で、これだけはどうしても犠牲にできない」という価値観や欲求、動機や能力などを指す言葉です。キャリア・アンカーには以下8つの分類があり、診断テストをすることで、自身の価値観の傾向を知ることができます。

<キャリアアンカーの8つの分類>

① 専門・機能的能力(Technical / functional competence)
② 管理能力(Managerial competence)
③ 自律・独立(Autonomy / independence)
④ 保証・安定(Security / stability)
⑤ 創造性(Entrepreneurial creativity)
⑥ 奉仕・社会貢献(Service / dedication to a cause)
⑦ 純粋な挑戦(Pure challenge)
⑧ ワークライフバランス(Lifestyle)

キャリア・アンカーを実施した理由

はたらクリエイトでは、会社を設立した2017年頃にキャリア・アンカーを取り入れ、2020年頃まで活用してきました。現在は、必須で実施しているものではありませんが、当時取り入れようと思った理由をご紹介します。

女性たちの価値観を醸成するきっかけとして

当時、スタッフとの会話で「どんなことをしたい?」と質問をすると、ほとんどが「わからない」という答えでした。「仕事のブランクが長くて、どんな仕事の可能性があるのかイメージがわかない」「子育て中、自分の”やりたいこと”を考えることがなかった」というスタッフも多く、自分のキャリアを考えたことがなかったという声もありました。

地方では、職業の選択肢が少ないこともあり、特にそういった女性たちが多い印象があります。そのような中で価値観を醸成するきっかけにもなればと思い実施したのが、理由の一つです。

価値観は一人ひとり違うことを理解した上で、チャンスを作りたい

スタッフのほとんどが「子育て中の女性」というはたらクリエイトですが、一人ひとり仕事への価値観やスタンスは違います。そんな中、たとえば「子どもが小さいから、責任や変化のある仕事はしたくないはず」などと固定概念を持って任せる範囲を決めてしまうと、本人の可能性を狭めることにもつながりかねません。キャリア・アンカーの診断結果を共有することで、それぞれの違いを理解しつつ、チャレンジの機会を創出していきたいという願いもありました。 

キャリア・アンカー診断は、ありのままの価値観を理解することが大事

人の価値観や仕事観は、経験や環境によって変わっていくものだと思っています。はたらクリエイトがスタッフにキャリア・アンカー診断をしてもらうときには、以下のことを意識しました。

今の仕事観における現在地を知るために、結果は参考にとどめる

診断後、本人は意識していないような意外な結果に驚くスタッフもいます。キャリア・アンカーの診断結果は「こういう結果が出たから◯◯でなければいけない」というものではありません。あくまで「自身の理解を深めるための参考材料の一つ」として捉えて活用することが大切です。

人は誰しも「こういう人だと思われたい」「よい一面を見せたい」という感情を持っているものですが、まずはありのままの価値観を理解することが、その後の価値観の変化につながります。

自分が大事にしたい項目に注目して、自分の言葉に書き換える

はたらクリエイトでは、最終的には診断結果にとらわれず、改めて自分にとって働く上で大事にしたい項目を選び、自分の言葉で具体的にどういったところが大事なのかを書き出してもらいました。そうすることで、なぜ自分にとってこの価値観が大事なのか、大事にしたいのかの理解度が変わります。

こうして現時点での自分の価値観を理解した上でその後の仕事に取り組むことで、取り組み方もかわるかもしれませんし、数年経ったときの自分の進化も感じることができます。 

当時実施したスタッフの声

実際にキャリア・アンカーの診断を行なったスタッフからは、以下のような声が聞かれました。

●自分らしいと思える診断結果に納得しました。

●私にとっては少し意外な結果でしたが、自分では意識していないけれど、こういう一面もあるのかもと受け止めることができました。

●今まで働いた会社ではキャリア・アンカー診断をしたことがありませんでした。自分の大事にしたいことを意識しながら、どのような働き方をしたいかを考えるよい機会になりました。

仕事に対する価値観を知り、キャリアをつくる意欲につなげる

個人の仕事やキャリアに対する価値観は、何かしらの機会があって意識をしなければ、理解はもちろん、醸成されるものではありません。わたしたちは、子育て中の女性が働き続けられる環境をつくりながら、自分のキャリア観について考える機会を持つことが、その後の意欲にもつながると考えています。

大事にしたいことを大事にしながら、キャリアの階段をのぼっていけるように、わたしたちも改めてキャリア・アンカーの実施の機会を検討してみたいと思います。

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