新型コロナウイルス対策!全国・東京都の企業が対象の助成金・補助金9選

コロナ対策の助成金・補助金
 

一定の要件を満たした企業に対し、国や自治体などから支給される「助成金」や「補助金」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が及んでいる企業の中には、返還義務のない助成金・補助金の活用を検討している経営者や人事・総務担当者の方も多いのではないでしょうか。

助成金・補助金にはさまざまな種類があるため、「自社で活用できるのはどれか」を知っておくことが重要です。今回は、助成金・補助金についての基礎知識や、新型コロナウイルス関連で活用できる全国・東京都の企業向けの助成金・補助金について解説します。

(※助成金・補助金の情報は、随時公式サイトにて情報更新されていますので、必ず詳細は公式サイトにてご確認ください。)

 

助成金・補助金とは

国や自治体から、企業に対して支給されるお金である「助成金」と「補助金」。混同されがちですが、両者には明確な違いがあります。

一番の違いは、「要件を満たせば、必ず受給できるか、できないか」です。「助成金」の場合、要件満たしていれば受給できます。一方、「補助金」の場合には、要件を満たし、かつ申請先での審査を通過した場合のみ受給できます。この他、「管轄」や「募集期間」などの違いもあります。

 

《助成金と補助金の違い》

  助成金 補助金
必ず受給できるか 要件を満たせば受給できる 要件を満たした上で、申請先での審査を通過した場合のみ受給
管轄 厚生労働省や自治体など 経済産業省や中小企業庁、自治体など
募集期間 長いものが多い 短いものが多い
受給されるまでの期間 長いものが多い 短いものが多い

いつまでに、どのくらいの金額を受給したいのかを考慮した上で、「助成金」「補助金」のどちらを申請するのか決めると良いでしょう。

 

全国の企業が対象の「助成金」

新型コロナウイルス対策として、全国の企業が活用できる助成金は、「①雇用調整助成金」「②新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」「③働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)」の3つです。それぞれの特徴について紹介します。
 

①雇用調整助成金

「雇用調整助成金」とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされたものの、雇用の維持を図っている企業を支援するための助成金です。労働者に対して一時的な「休業」「教育訓練」または「出向」をお願いした場合、労働者に支払う休業手当や賃金等の一部を補助してもらうことができます。

現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特例措置が行われています。また2020年4月1日以降には、追加の特例措の実施が予定されています。追加の特例措置により、要件や金額は以下のようになる見込みです。
 

対象となる事業主 新型コロナウイルス感染症の影響を受ける、全国・全業種の事業主
生産指標要件 販売量、売上高等の事業活動を示す指標である「生産指標」について、直近1カ月間で前年同期に比べ5%以上低下していること

金額

中小企業 休業手当にかかった費用の5分の4(解雇などを行わない場合、10分の9
大企業 休業手当にかかった費用の3分の2(解雇などを行わない場合、4分の3

参考:厚生労働省|新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大 別紙(2020年4月8日時点)

追加の特例措置の詳細については、決まり次第、厚生労働省のHPに掲載される予定ですので、最新の情報を確認しましょう。

 

②新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金

「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」とは、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う小学校の休業に関連した助成金です。小学校などの臨時休業に伴って仕事を休むことになった労働者に対して、通常の年次有給休暇とは別の休暇を有給で取得してもらった企業は、助成金を受け取ることができます。対象となる事業主や金額などは、以下の通りです。
 

対象となる事業主 新型コロナウイルス対策として、2020年2月27日~3月31日までの期間に「臨時休業した小学校などに通う子ども」または「新型コロナウイルスに感染またはその疑いがある小学校などに通う子ども」の保護者である労働者(「正規雇用」「非正規雇用」いずれも対象)に対し、年次有給休暇とは別の有給の休暇を取得してもらった事業主
金額 対象となる有給の休暇中に支払った賃金相当額 × 10分の10
※日額の上限は、8330円
申請期間 2020年3月18日 ~ 6月30日

参考:厚生労働省|小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援のための新たな助成金を創設します

新型コロナウイルスの感染拡大が続いている状況を受け、2020年4月1日~6月30日までの期間に取得した有給の休暇についても、支給の対象となる見込みです。詳細は後日、厚生労働省のHPで発表されますので、最新の情報を確認しましょう。

 

③働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)

「働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)」とは、テレワークを新規導入した企業に対する助成金です。新型コロナウイルス対策として、新たにテレワークを導入した中小企業は、助成金を受け取れます。受給要件や対象となる取り組み、金額などは、以下の通りです。

 

対象となる事業主 新型コロナウイルス対策として、テレワークを「新規で導入する」または「既に試験的に導入している」中小企業事業主
対象となる取り組み
・VPN装置、Web会議用機器などのテレワーク用通信機器の導入・運用(パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費は対象外
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング
受給要件
・上記の取り組みのいずれか1つ以上を実施すること
・テレワークを実施した労働者が1人以上いること
対象となる取り組みの実施期間 2020年2月17日 ~ 5月31日
金額 取り組みを実施する際にかかった費用の2分の1

参考:厚生労働省|中小企業事業主の皆さまへ「働き方改革推進支援助成金」新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコースのご案内

今回の新型コロナウイルスの影響を受けて、初めてテレワークを導入した中小企業もあるのではないでしょうか。その場合には、こちらの助成金の活用がおすすめです。

 

全国の企業が対象の「補助金」

新型コロナウイルス対策として、全国の企業が活用できる補助金は、「①ものづくり補助金」「②IT導入補助金」「③小規模事業者持続化補助金」の3つです。
 

①ものづくり補助金

「ものづくり補助金」とは、中小企業や小規模事業者が「新製品開発」「新たな生産方式の導入」といった経営革新につながる設備投資を行った際などに活用できる補助金です。

現在、新型コロナウイルスの影響を受けて設備投資などを行うことになった企業に対して、特例措置が行われています。特例措置の内容や金額、公募スケジュールなどは、以下の通りです。

 

対象となる事業主
中小企業、小規模事業者
特例措置の内容 特例措置は、以下の3つ。
優先的支援(採択審査の際、加点措置を実施)
申請要件の緩和(申請要件の達成時期を、1年間猶予)
遡及適用(交付決定日前に発注した事業にかかる経費についても、補助対象に含める)
 金額 中小企業  設備投資などにかかった費用の2分の1
※補助額の上限は、1000万円
想定される活用例  小規模事業者 設備投資などにかかった費用の3分の2
※補助額の上限は、1000万円
想定される活用例  ・部品の調達が困難になり、部品の内製化を図るために設備投資を行う場合
・新型コロナウイルスの影響を受けている取引先からの新たな部品の供給要請を受け、生産ラインを新設・増強する場合
・中国の自社工場の操業停止に伴い、国内に拠点を移転する場合など
公募スケジュール
(二次締切)
2020年4月20日 17:00 ~ 5月20日 17:00

参考:全国中小企業団体中央会|ものづくり補助金公募要領〔一般形〕(2次締切分)概要版

 

3次締切は2020年8月頃、 4次締切は2020年11月頃、 5次締切は2021年2月頃になる見込みです。5次締め切り以降の公募スケジュールは未定のため、必要書類の準備が整い次第、申請をすると良いでしょう。
 

②IT導入補助金

「IT導入補助金」とは、中小企業・小規模事業者などの生産性向上を目的とした補助金です。生産性の向上につながるITツール(ソフトウェアやサービスなど)を導入した企業は、かかった費用の一部を補助してもらうことができます。

新型コロナウイルスの感染拡大による中小企業・小規模事業者への影響を考慮し、2020年3月末まで1次公募の臨時対応が実施されました。次回は、2020年6月頃に申請が開始される予定となっています。金額や想定される活用例などは、以下の通りです。

 

対象となる事業主
中小企業、小規模事業者
金額 ITツールを導入する際にかかった費用の2分の1
最低30万円~最高450万円
※上限の450万円は、次回公募以降の予定額
想定される活用例
新たにテレワークでの勤務を可能とするため、業務効率化ツールとテレワークツールを同時に導入する場合など
公募スケジュール
(予定)
2020年6月頃

参考:一般社団法人 サービスデザイン推進協議会|IT導入補助金2020【1次公募(臨時対応)】公募要領

2020年9月頃、2020年12月頃にも公募が予定されています。公募スケジュールや助成内容など、変更になる可能性があるため、最新の情報を確認しましょう。

 

③小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」とは、小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした補助金です。「働き方改革」や「被用者保険の適用拡大」といった制度変更に対応するために経営計画を作成し、販路開拓や生産性向上などに向けた取り組みを行う際にかかった費用の一部を補助してもらうことができます。

現在、新型コロナウイルス感染症による影響を受けながらも販路拡大などに取り組んでいる小規模事業主を支援するため、採択時の加点措置が行われています。対象となる事業主や金額、公募スケジュールなどは、以下の通りです。

 

対象となる事業主 (宿泊業・娯楽業を除く)
商業・サービス業
常時雇用している労働者が5人以下の事業主
 宿泊業・娯楽業・製造業など 常時雇用している労働者が10人以下の事業主
加点措置の対象 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、
・役員や従業員の感染など「直接的な影響」が生じている場合
・売り上げの減少といった「間接的な影響」が生じている場合
対象となる取り組みの例 チラシやホームページの作成、商談会への参加、店舗改装など
金額 取り組みを行う際にかかった費用の3分の2
※補助額の上限は、50万円
公募スケジュール 第2回受付締切 2020年6月5日
第3回受付締切 2020年10月2日
第4回受付締切 2021年2月5日

参考:日本商工会議所|小規模事業者持続化補助金<一般型>【公募要領】

申請先は、企業の所在地によって異なります。商工会地区窓口で事業を営んでいる場合には「商工会の都道府県地方事務局」に、商工会議所地域で事業を営んでいる場合には「商工会議所補助金事務局」に申請しましょう。
 
 

東京都の企業が対象の「助成金」

新型コロナウイルス対策として、東京都の企業が活用できる助成金は、「①緊急販路開拓助成事業」「②事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」「③新型コロナウイルス感染症対策雇用環境整備促進奨励金」の3つです。
 

①緊急販路開拓助成事業

「緊急販路開拓助成事業」とは、新型コロナウイルスの影響により直近の売上が減少した都内の中小企業を支援するために創設された助成金です。販路拡大を目的とした展示会への出展費用の一部を補助してもらうことができます。受給要件や対象となる展示会、金額などは、以下の通りです。

 

受給要件 以下の要件をいずれも満たす都内の中小企業事業主
・新型コロナウイルス感染症の影響により、直近3カ月の売上高が前年同期に比べ10%以上減少していること
・2期以上の決算を経ており、確定申告書一式の写しが提出できること
対象となる展示会 以下の全ての要件を満たす展示会に出展していること
・展示会の開催主旨が、事業者との商談であること
・主催者の取引先や協会の構成員といった「特定の顧客」のみを来場対象とする展示会ではないこと
・「自社」または「自社の役員・労働者が兼務している法人」が主催や運営している展示会ではないこと
・資金集めを目的に行う出展ではないこと
・展示会への申し込みから出展時の商談まで、申請事業者が主体的に関わること
・出展ブース内に「申請事業者名」または「申請事業者のブランド名」が表示されること
・販売を出展ブースの内外を問わずに行わないこと
金額 展示会への出展の際にかかった費用の5分の4
※助成額の上限は、150万円
事前エントリー期間 2020年4月13日 ~ 5月20日
申請書類の提出期間 2020年5月11日 ~ 5月20日

参考:公益財団法人東京都中小企業振興公社|緊急販路開拓助成事業【募集要項】

申請に先立ち、事前エントリーが必須となっています。期間内に忘れずに事前エントリーをしましょう。

 

②事業継続緊急対策(テレワーク)助成金

「事業継続緊急対策(テレワーク)助成金」とは、テレワークを導入する都内の中堅・中小企業などを対象とした助成金です。新型コロナウイルスの感染拡大防止策や緊急時の事業継続策の一環としてテレワークを導入した場合、かかった費用の一部を補助してもらうことができます。受給要件や対象となる経費などは、以下の通りです。

 

受給要件 以下の要件をいずれも満たす、都内に本社または事業所を置く中堅・中小企業
・常時雇用する労働者が2名以上999名以下であること
・東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
対象となる経費
・機器等の購入費(パソコン、タブレット、VPNルーターなど)
・機器の設置・設定費 (VPNルーター等機器の設置・設定作業費など)
・保守委託などの業務委託料(機器の保守費用など)
・導入機器などの導入時運用サポート費 (操作説明マニュアルの作成費など)
・機器のリース料(パソコンのリース料金など)
・クラウドサービスツールの利用料
金額 テレワーク導入にかかった費用の10分の10
※助成額の上限は、250万円
申請受付期間 2020年3月6日 ~ 5月12日

参考:公益財団法人東京しごと財団|事業継続緊急対策(テレワーク)助成金のご案内

東京都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していることが条件となっています。助成金を申請する前には、忘れずにこちらのプロジェクトに申し込みましょう。
 

③新型コロナウイルス感染症対策雇用環境整備促進奨励金

「新型コロナウイルス感染症対策雇用環境整備促進奨励金」とは、非常時に対応するための勤務体制・職場環境の整備に取り組んでいる企業を対象とした奨励金です。先ほど紹介した「雇用調整助成金」または「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」のいずれかの支給が決まっている企業は、奨励金を受給することができます。受給要件や金額などは、以下の通りです。

受給要件 以下の要件をいずれも満たす、都内に雇用保険適用事業所がある中小企業
・「雇用調整助成金」または「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金」の支給が決定していること
・非常時における雇用環境整備の取組計画を作成し、実際に取り組むこと
金額 1企業あたり、10万円
※受給できるのは、1回のみ
申請受付期間
(第1回)
2020年3月27日 ~ 6月30日

参考:東京都産業労働局|新型コロナウイルス感染症対策 雇用環境整備促進事業の受付を開始します!

第2回以降の申請受付期間については、決まり次第「TOKYOはたらくネット」に掲載される予定ですので、最新の情報を確認しましょう。

 
 

事業継続のため、助成金・補助金を活用しよう

新型コロナウイルスに対応するため、全国や東京都の企業を対象としたさまざまな助成金・補助金が整備されています。助成金・補助金の種類によって受給要件や申請期間などが異なるため、情報を収集し、正しく理解することが重要です。

新型コロナウイルスの感染拡大による影響は今後しばらく続いていく可能性がありますが、助成金・補助金を活用することで、事業継続に役立ててみてはいかがでしょうか。