女性のリーダーシップ育成は組織成長のカギ!場所・経験・ライフステージをいかして可能性を広げあう組織づくり【CHROカレッジ 登壇レポート|後編】

2021.11.05
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こんにちは、ライターの塚田です。

2021年8月17日に弊社取締役CEmOの高木がクリーク・アンド・リバー社主催のCHROカレッジに登壇させていただきました。

今回は、「女性のリーダーシップ育成は組織成長のカギ!~場所・経験・ライフステージをいかして可能性を広げあう組織づくり~」のテーマでお話した内容を、前編・後編に分けてレポートします。

前編では、「高木とはたらクリエイトとの出会いと、リーダーシップ」についてレポートしました。今回の後編では、「はたらクリエイトでのリーダーシップの変遷」や「トークセッション」の内容についてレポートしていきます。

当日のスライド資料も公開していますので、是非ご覧ください。

登壇レポートの前編は、こちらからご確認いただけます。

場所・経験・ライフステージをいかして可能性を広げあう組織づくり

ここからは、我々はたらクリエイトが「場所・経験・ライフステージをいかして可能性を広げあう組織」をどのように作ってきたか、という点についてお話しします。

はたらクリエイトのスタッフ数の推移とリーダーシップの変遷

下の図は、会社の立ち上げから現在までの4年間における、「メンバー数の推移」(青線)と、「リーダーシップの発揮度合い」(赤線)の変遷をまとめたものです。メンバー数は、創立時25人からスタートし、現在約120名になっています。これに合わせてリーダーシップの発揮度合いを見ると、徐々に上昇していき、2021年以降特に急増しています。

続いて、先程の図を、7つの組織フェーズごとに分けてみました。下の表は、フェーズごとにどのような型のリーダーシップが発揮されていたかを数値化したものです。

各フェーズごとの特徴と、それに合わせてどのようなリーダーシップが発揮されていたかをご紹介します。

【フェーズ1】会社創立期

まずは、「会社創立期」です。前編でお伝えしたように、はたらクリエイトは「ライフステージの変化により、一旦キャリアを離れた女性の仕事復帰を後押しする」という取り組みから始まった組織です。そのため、「まちづくり」や「コミュニティ作り」という側面が強く、一人ひとりの声を聞き、顔が見える関係性を重視する『関係重視型』『民主型』のリーダーシップからスタートしています。この時期は、チーム意識を高めるため、ワークショップや一人ひとりとの1on1も多く実施していました。

【フェーズ2】仕事量・メンバー急増期

続いて、「仕事量・メンバーの急増期」です。まだ企業としてのサービス基盤が確立していないまま、業務のご依頼にあわせてメンバー数を倍近く増やしたことで、混乱や意識のすれ違いが発生。「売上を上げていかないと、企業基盤が築けない」「民主型・関係重視型を続けていては、組織がまとまらない」という危機的状況でした。そこで、スキルを磨き、きちんと稼げる集団になることを目的として、組織構造をトップダウンのピラミッド型に変更。一気に『強制型』リーダーシップに舵を切りました。また、個人の目標管理と振り返りの機会を設けるとともに、「キャリア・アンカー」を実施。一人ひとりが仕事をする上で大切にしたいことを、可視化していきました。

【フェーズ3】制度・規定不足期

「制度・規定不足期」には、『強制型』リーダーシップの増加により会社は回っていたものの、「制度」や「規定」の不足から、メンバー増加に対応しきれず、責任が曖昧になってしまうという課題を抱えていました。そこで、『民主型』や『ペースセッター型』リーダーシップを再強化。改めてメンバーの声を聞き、規定や制度の整備を進めるとともに、ミッションの言語化を実施しています。これにより、皆が向くべき方向が明確になり、だんだんと足並みが揃うようになりました。

一方で、「小学生夏休みプログラム」の実施など、スタッフの満足度を向上させる取り組みも平行して実施していました。子どもたちの成長の様子を間近で感じられる取り組みは、女性にとって仕事へのモチベーションにも関わる重要な要素と考えています。

【フェーズ4】ミッションの浸透期

続いて「ミッションの浸透期」では、ミッションである「はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ」という状態をそれぞれが目指す上で、「全員で組織を作るために、声をあげる機会が少ない・声を出しづらい」ということが課題となっていました。そこで、メンバーそれぞれの思いや考えを言葉にして「提案」できる機会を積極的に取り入れながら、声を出しやすくするための『関係重視型』のリーダーシップも強化しています。

例えば、月1回開催している全体会で、やってみたい取り組みを発表する「みんクリミーティング」や、オフィスに取り入れたいものを提案する「WISHリスト」などが挙げられます。また、それぞれの強みを可視化する「ストレングス・ファインダー」の診断と、それをもとにした「トリセツ」作成や、メンバーの誕生日に取締役と昼ご飯を食べる「お誕生月ランチ」など、スタッフの主体性のサポートや、関係性を構築させる取り組みなども実施しました。

【フェーズ5】2拠点目立ち上げ期

続いて、新たな拠点を立ち上げた「2拠点目立ち上げ期」です。2拠点目の業務基盤を整備する、再度『強制型』のリーダーシップを強化しています。これまでのノウハウやスキルをいかし、『ペースセッター型』や『関係重視型』など、全体的にバランスの取れたリーダーシップを発揮できるようになりました。

この時期は、組織全体でメンバーが増えたことや、拠点が分散したことから、「一人ひとりの顔と名前が一致しない」ということが課題をなっていました。そこで、一人ひとりにスポットが当たる機会を作るため、メンバーが他のメンバーを紹介しながらバトンでつなぐ「スタッフ紹介リレー」や、はたクリのミッション・ビジョン・バリューに沿った働きをした個人に感謝や賞賛を送り合う「はたクリPON!」といった取り組みを開始。この他、新拠点立ち上げイベントをメンバーが1から作ったり、手作りのランチを一緒に囲む「手作りランチDay」を開催したりなど、それぞれの経験やフェーズなどをいかした活動を行いました。

【フェーズ6】リーダーシップの発掘期

2020年は「リーダーシップの発掘期」でした。2拠点目の立ち上げが落ち着いたことや、ここまでにある程度経験を持つメンバーが増えたことで、『ペースセッター型』のリーダーシップが多く発揮されるようになりました。また、ここまで全体を通して、『ビジョン型』のリーダーシップが常に少しずつ存在します。「はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ人を増やす」というミッションや、「女性がライフステージに合わせてキャリアを積んでいく」という組織のスタンスがベースにあるので、これをいかに体現していくかを意識しているからこそのものです。

はたらくをクリエイトする人をより増やすことに取り組みはじめたのがこの時期です。はたらくをクリエイトして仕事を楽しんでいる状態は人によってさまざまです。その状態を作るために、仕事をする上で感じている「モヤモヤ」や「課題」を声に出し、解決に向けて主体期に取り組むことにより、「自分自身のはたらクリエイト」を体現することを重視しました。一例として、「モヤモヤ」の状態で溜まっている気持ちを声に出して、共感するメンバーと一緒に取り組んでみる「はたクリ畑」や、広く外に目を向ける機会として読書会や「クリティカル・シンキング勉強会」などを実践しています。

【フェーズ7】リーダーシップの拡大期

そして、現在の「リーダーシップの拡大期」です。事業が成長し基盤は安定してきている一方で、「一人ひとりが自分の今と未来について、改めて考えるきっかけが少ない」という課題があります。そこで、『ビジョン型』や『コーチ型』のリーダーシップを重視し、一人ひとりの「願い・想い」を口に出し、それを融合していくことを目指した活動を実施。年始には今年の目標を漢字一字で表す「書き初め」を全員で行いました。ストレングス・ファインダーをもとに、それぞれの強みを再確認し、お互いが認知し合う「じぶんクリエイト研修」にも取り組んでいます。また、社内で開催したコーチング講座にはスタッフ約20名が参加するなど、一人ひとりの「願いを口に出す」機会を強化しています。

リーダーシップは分担することも、育むこともできる!

これらの取り組みを通じ、現在ざまざまなリーダーシップがバランスよく発揮される機会が増え、組織の中で主体的な取り組みが増えてきました。コロナ禍においては、緊急時の対応などで『強制型』リーダーシップが必要な場合もあるものの、基本的にはビジョンを掲げながら、「一緒に考えて作っていく」リーダーシップを強化しています。

前編のポイントとして「リーダーシップは分担することもできる」とお伝えしましたが、さらに「リーダーシップは育むこともできる」こともお伝えしたいポイントです。はたクリもチャレンジの途中ですが、その人のフェーズに合わせて、まだ眠っている可能性や、それぞれの力を探ってく取り組みを実施していきたいと考えています。

【第二部】トークセッション・レポート

続いて、トークイベントの第二部として行われた「日本における女性のキャリア推進やライフステージに合わせたCXOキャリア構築」についてのトークセッションの様子をお伝えします。株式会社クリーク・アンド・リバー社の藤澤さんがファシリテーターを務め、CXO事業部の三木さん、鯉淵さんと高木が下記のテーマでトークを行いました。

①日本社会における女性キャリア推進について
②ライフステージに合わせたCXOキャリア構築について
③成長し続けるための社内制度/育成システム

日本社会における女性のキャリア推進について

藤澤さん:まず、日本における女性キャリア推進の全体感をどう捉えているか、お伺いできればと思います。

三木さん:最近は上場を検討している企業のCXOの方と話す機会が多いのですが、女性活躍についてが話題になることが増えています。実際に、政府は女性管理職割合を30%まで引き上げようという目標を掲げていますが、10%程度にとどまっているのが現状です。このように、女性が活躍する仕組みを作ろうとしている中で、目標と現状が大きく乖離している状況をどのように捉えていますか?

高木:私たちが事業を始めた4年前と比べ、女性の活躍は進んでいるという感覚があります。フリーランスの女性が増えたり、副業などの制度を企業が取り入れたりすることで、女性にとって働きやすい環境は徐々に出来てきていると感じています。

一方で、それだけではカバーしきれないゾーンがあることや、女性自身がどのような働き方やキャリアを選択するかを「自分一人で判断できない」という課題があると思っています。そうした課題の解決には、集団やコミュニティの力も必要だと感じます。

三木さん:女性活躍の定義はさまざまですが、一つの定義として「管理職として意思決定の場に参加していくこと」があるかと思います。そこを目指すために、「個人の意思決定」という側面からは、自身の意識をどのように持つとよいのでしょうかか?また、先ほどのリーダーシップのお話と絡めてみると、どの部分を高めるとなりやすいとお考えでしょうか?

高木:選択する女性の立場として見ると、自身の意思・内面の部分として、「自分がどうありたいのか」「このあとどのような人生を送りたいか」を考えた上でどのような選択肢があるのかを話す機会が少ないと感じます。

女性管理職を増やす、管理職に女性を入れようという視点からスタートすると、どうしても今あるポジション(今の管理職としてのあり方)に女性を当てはめていくという思考になりがちです。そうした場合、今発揮されているリーダーシップと自分がなりたいリーダーシップ像に乖離が生まれ、「管理職になりたい」という思考につながらないこともあるかと思います。

それをふまえると、ただ「管理職になりましょう」ではなく、その本人が今後「どうありたいか」、「どうなりたいか」にアプローチを行い、そのリーダーシップを発揮していくために会社にどのような選択肢をつくるかを考えるという順番でいくとよいのではないのでしょうか。その結果、多様なリーダーシップが発揮されやすくなるのではないかなと感じます。

藤澤さん:女性視点として、鯉淵さんからお願いします。

鯉淵さん:女性の方と日々接する中で、ライフステージに合わせて「キャリアに挑戦していきたい時期」と「家庭を守りに入りたい時期」があると感じます。タイミングに悩む女性は多いと感じますが、どのような思いを持つと、キャリアを選択する人が幸せにはたらけると感じますか?

高木:はたらクリエイトでは、現在「キャリア・アンカー」を実施することで、個人が重視したい価値感を再確認し、それに合わせたキャリアを選択できるようサポートしています。

キャリア・アンカーは、40問程の質問に対する回答結果から、キャリアの選択時に自分が重視したい価値観と向き合うものです。弊社では、さらにこの診断結果を踏まえて、はたらく上で「何を大切にしたいか」を自分の言葉で表現しています。

こちらは、現在弊社でCXOを担う方の結果です。入社後に実施したキャリア・アンカーでは、8の「ワークライフバランス」が最も高い点数だったものの、自分自身では次点にある「純粋な挑戦」や「専門・機能的能力」「創造性」を大切にしたいと選択しました。彼女は、業務での実践と外部講座の受講などによる学習を繰り返すことで、現在はエンジニアとして事業開発やチームメンバーのマネジメントなどを担っています。

このように、自分自身が大切にしたい価値観を言語化してみたり、それをもとに実践を繰り返してみたりするというのが、ライフステージにおいて、幸せなキャリアを選択していく上で大切なのではないでしょうか。

ライフステージに合わせたCXOキャリア構築について

藤澤さん:次に、ライフステージに合わせたCXOキャリアをどのように構築していくかについて伺います。三木さんは日々転職希望の方と対峙されていると思いますが、どのようにお考えですか?

三木さん:ライフステージの変化に合わせて、女性の方からの相談は多いです。最近だと、お子さんさんがまだ小さいが、上場前の企業でのCFOを務めているという方がいます。上場準備を含めるととても激務ですが、午後6時~午前9時までは「子どもとの時間」ということを、会社と話し合って両立されているそうです。ただ、企業としてどこまで理解を示してくれるかや、そうしたくても現実的に可能かは、それぞれの企業や状況によって異なると思います。

今後、全体的に女性の管理職を増やそうという中で、必要な要素は「企業の理解」なのか、「環境」なのか、どう思われますか。

高木:「企業の理解」という面でいうと、会社がこれまで作り上げてきた制度やシステムに、イレギュラーなものを挟むのはとてもパワーがかかることと感じます。だからといって、既存の制度に当てはめる(当てはまらないやり方・人は排除してしまう)という方法を取ると、短期的には効率的かもしれませんが、長期的なには組織の発展を止めてしまう可能性があります。「5年・10年やもっと先に、どのような組織を残していきたいのか」という問いから、スタートする必要があると感じます。

『コーチ型』や『関係重視型』などのリーダーシップを取り入れ、「声を出しやすい」状況を作っていくことが、組織の制度設計にとっても長期的なメリットにつながり、そこに企業がフィットしていくと思います。

新卒の男子学生を対象としたアンケートでは、「育休が取得しやすいか」なども企業選びの重要な要素になってきているようです。この結果からわかるように、女性だけでなく、男性の意識も変化し始めています。今いる女性と共にライフステージに合わせて必要な制度を構築していき、新たな属性の人を迎えるとよいのではないでしょうか。長期的視点で問いを立て、未来を描いてみることが大事だと思います。

三木さん:世代を巻き込んで、中長期的に制度を構築していくことが大切ですね。

成長し続けるための社内制度・育成システム

藤澤さん:最後のテーマは「成長し続けるための社内制度・育成システム」です。どのような制度やシステムが必要なのでしょうか?

鯉淵さん:社内制度や育成システムは多々あるものの、「活用しきれてない」という課題を抱える企業も多い状況です。制度を制度として使いやすい、働きやすい仕組みづくりがあるべき姿かと思いますが、どのような方法や方針や思いで構築すると活用につながるでしょうか?

高木:方法論だけで取り入れると、うまく活用できないという実感があります。はたらクリエイトでは、当事者と共につくることを大切にしています。実際に制度を使う人の視点に立った制度設計を行うために、「こんな制度を作ろうと思いますが、やりたい人いますか?」と、やりたい人を募って一緒に作るという方法を取っています。

また、実際制度を作る際には、「インテグラル理論」の4象限を重要な視点として活用しています。インテグラル理論で組織を見ると、「集団」「個人」「外面」「内面」という4象限に分類できます。制度設計には、このバランスが取れているかを重視しています。

例えば、集団と外面にある①の部分を見て「全体の制度や環境設計」をしてみたものの、「なぜかうまくいかない」という状況はよくあります。このときに、反対側にある②の集団の内面の部分の「関係性」や「習慣」「カルチャー」といったものや、③の個人の「価値観」の視点から制度を見たときに、どうだろうということを重視しています。

高木:組織で制度を作ろうとすると、外面で見えるところに偏りがちです。そのとき、「内面の部分にきちんと紐付いているのか」を意識的に観察することが、活用しやすい制度作りには大切だと思います。それがはたらきやすさにもつながるのではないでしょうか。

多様なリーダーシップを育みながら、これからも「はたらく」をクリエイトしていきます!

後編では、「リーダーシップは分担することも、育むこともできる」ということをお伝えしました。はたらクリエイトでは、メンバー一人ひとりのライフステージや重視したい価値観を尊重しながら、ともに成長していける組織をつくるために、今後も多様なリーダーシップが発揮される環境を構築していきます。そうすることで、「はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ人を増やす」というミッションを体現する人を、社内に、そして社会全体に増やしていきたいと思います。

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