OJTとは?メリット・デメリットやOFF-JTとの違い、研修のやり方

OJT
 
「実務を通じた教育訓練」を意味する、OJT。研修制度の一環として、OFF-JTと併用しながらOJTを実施している企業もあるようです。とは言え、「なかなかOJTの成果が出ない」「体系的に行えていない」「現場任せになっている」といった人事担当者やマネージャーの方も多いのではないでしょうか。
 
今回は、OJTの意味やメリット・デメリット、OFF-JTとの違い、OJTのやり方などを紹介します。
 

OJT制度とは

OJT制度とは、「On-The-Job Training」の略で、現場での実務を通じた教育訓練のこと。OJTを行うことにより、実務を進める上で必要となる実践的な知識やノウハウを、研修の対象者に身に付けてもらうことができます。社員の早期戦力化が期待できるため、新入社員の育成方法として、OJTを取り入れている企業も多いようです。
 
教える側の上司や先輩社員は「トレーナー」、教えられる側の新入社員や後輩社員は「トレーニー」と呼ばれます。またOJTでは、「やってみせる(Show)」「説明する(Tell)」「やらせてみる(Do)」、「確認・追加指導(Check)」という4段階で指導が行われます。なお、トレーナーに必要な心構えや、OJTの4段階の指導法については、後ほど紹介します。
 

OJTのメリット

OJTにはどのようなメリットが期待できるのでしょうか。OJTのメリットを、「企業」「チーム」「トレーナー」「トレーニー」という立場ごとに紹介します。
 

企業にとってのメリット

企業にとってのメリットは、以下の2点です。
 

早期戦力化が期待できる

近年、AI・IoTなど技術革新の浸透により、企業を取り巻く環境は大きく変化しています。迅速な対応が必要となる場面が増えているため、「新入社員や後輩社員の育成にあまり時間をかけられない」という企業も少なくありません。OJTには、研修内容と実際の業務内容のズレが少ないという特徴があります。また、トレーニーの理解度を把握した上で、苦手なところを何度も指導することも可能です。そのため、トレーニーの早期戦力化が期待できます。
 

人材育成にかかるコストを抑えられる

OJTは、通常の業務時間内に現場で行う実践的な研修です。そのため、社員の残業代や会議室代といったコストが基本的には発生しません。また、上司や先輩社員がトレーナーとなるため、外部講師を頼んだり、研修を外注したりするコストも不要です。結果的に、人材育成にかかるコストを抑えることができます。
 

チームにとってのメリット

チームにとってのメリットは、以下の通りです。
 

コミュニケーションが活性化する

OJTを実施することにより、トレーナーとトレーニーの間で、「質問」や「確認」といったやり取りが頻繁に行われるようになります。また、指導内容について、トレーナーが上司に相談する機会も増えるでしょう。そのため、OJTを行うことにより、チーム内のコミュニケーションが活性化します。それにより、「人間関係の構築」や「チームメンバー同士の相互協力」も期待できるでしょう。
 

トレーナーにとってのメリット

トレーナーには、下記のようなメリットが期待できます。
 

スキルアップにつながる

トレーナーの中には、「自分で業務を行うことはできるけれど、人に業務を教えた経験はない」という人もいるでしょう。OJTを行う際、トレーナーは「難しいことを分かりやすく説明するためには、どうしたら良いのか」「どのように教えれば、相手の理解が進むのか」などを常に考える必要があります。このようなことを毎日考えながらOJTを実施することにより、「業務への理解度」や「部下への指導力」の向上し、スキルアップにつながるでしょう。
 

トレーニーにとってのメリット

トレーニーにとってのメリットは、以下の通りです。
 

業務に関する不安・疑問を解決できる

OJTは、大人数を対象とした「集合研修」とは異なり、基本的にトレーナーとトレーニーの1対1で行われます。そのため、理解度に応じて、研修の内容やスピードを臨機応変に変更することが可能です。またOJTには、「分からないことをすぐ質問できる」「何度でも、繰り返し教えてもらえる」といった特徴もあります。そのため、業務に関するさまざまな不安・疑問を解消できるというメリットが期待できます。
 

OJTのデメリット

OJTにはさまざまなメリットが期待できる反面、課題もあります。OJTのデメリットを立場ごとに見ていきましょう。
 

企業にとってのデメリット

企業にとってのデメリットは、以下の通りです。
 

体系的な習得には適さない

OJTでは、実際の業務を1つずつ教えていきます。そのため、個別の業務は理解しやすい一方で、業務の全体像を把握しにくくなる傾向があります。また、自社の事業内容やビジネスマナーといった、部署を問わず必要となる知識・スキルは、実務だけでは身につかないこともあるでしょう。そのため、OJTは業務の体系的な習得には適さないとされています。業務を体系的に習得してもらうため、実務を離れての教育訓練である「OFF-JT」と、実践的な「OJT」を組み合わせながら研修を進めていきましょう。
 

チームにとってのデメリット

チームにとっては、下記のようなデメリットがあります。
 

「現場任せ」や「単なる放置」になることも

OJTの導入に伴い、「研修内容を現場で考えないといけない」「誰が指導にあたるのかが決まっていない」「実務を行いながら、指導までするのは負担が大きい」といった不満を抱く社員もいるでしょう。このように、「現場任せ」や「単なる放置」になるというのは、OJTで起こりがちな問題です。そうした事態が起こらないよう、企業としては、OJTを現場に任せにし過ぎず、必要なフォローを行うようにしましょう。
 

トレーナーにとってのデメリット

トレーナーにとってのデメリットは、以下の通りです。
 

負担が大きく、業務に支障が出ることも

OJTの期間中、トレーナーは通常の業務を行いながら、新入社員や後輩社員を指導していく必要があります。そこで課題となるのが、「通常の業務」と「OJTでの指導」のバランスです。「日々の指導」や「トレーニーの理解度把握」など、OJTに注力し過ぎると、トレーナーの負担が大きくなる可能性があります。また、トレーナーがキャパオーバーとなり、通常の業務に支障が出ることもあるでしょう。そうした問題が発生しないよう、定期的に現場の状況をヒアリングし、トレーナーの負担軽減を図ることが企業には求められます。
 

トレーニーにとってのデメリット

トレーニーには、以下のようなデメリットがあります。
 

OJTの質は、トレーナー次第

トレーナーの中には、業務を教えることに「慣れている」「得意」という社員もいれば、「慣れていない」「不得意」という社員もいるでしょう。トレーナーとしての「指導力」や「性格的な向き・不向き」は人によって異なるため、同じことを教えようと思っても、実際の指導内容に差が出る可能性があります。そのため、トレーナー次第でOJTの質が左右されやすいとされています。一定以上の質が担保されたOJTをトレーニーが受けられるよう、「トレーナー向けの研修」や「トレーナー同士の情報共有」の場を設けましょう。
 

OFF-JTとの違い

「OJT」と比較されることが多いのが、「OFF-JT」です。OFF-JTとは、「Off-The-Job Training]」の略で、業務を離れて行う教育訓練のこと。OJTもOFF-JTも、どちらも人材育成の方法の1つという点では共通していますが、実施場所や研修の形式、研修内容などが異なります。OJTとOFF-JTの違いを、表にまとめました。
 

  OJT OFF-JT
実施場所 ●配属先の現場 ●現場とは別の場所(会議室、研修室など)
実施時間 ●通常の業務時間内に実施 ●研修のために特別な時間を設ける
研修の形式 ●実践形式 ●座学形式
●グループディスカッション
●ロールプレイ など
研修内容 ●現場で必要とされる実践的な知識・ノウハウ ●業務には直結しないものの、全社員に求められる知識(事業内容の理解、ビジネスマナーなど)
●階層ごとに必要となるスキル(マネジメントスキルなど)
トレーナー・講師 ●社内の人(上司や先輩社員) ●社内の人(主に人事部)
●外部講師
対象者の人数 ●1人(1対1で研修を行う) ●複数(集合研修を行う)
対象者 ●新入社員や後輩社員など ●全社員(年次・階層ごとに実施されることが多い)

 
OJTでは、配属先の現場で、通常の時間内に実践形式の研修が行われます。上司や先輩社員がトレーナーとなり、現場で必要とされる実践的な知識・ノウハウを、1対1で新入社員や後輩社員に教えます。
 
一方、OFF-JTでは、会議室や研修室など現場とは別の場所で、研修のために特別な時間を設けた上で実施されます。座学形式で行われることが多いですが、数人のグループごとに議論する「グループディスカッション」や、役割を決めた「ロールプレイ」をすることもあります。研修内容は、「自社の事業内容の理解」や「ビジネスマナー」といった業務には直結しないものの全社員に求められる知識や、「マネジメントスキル」のように階層ごとに必要な知識などです。トレーナーは人事部を始めとする社員が担うが多いですが、研修によっては、外部講師を招くこともあります。OFF-JTの対象は全社員で、年次・階層ごとに複数人での集合研修を実施するのが一般的です。
 
このように、OJTとOFF-JTではその特徴が大きく異なります。「体系的な習得が難しい」「現場任せ、放置になりやすい」といったOJTのデメリットを補う手段として、OJTとOFF-JTの併用を検討すると良いでしょう。
 

OJTの内容と進め方

OJTでは、「Show(やってみせる)」「Tell(説明する)」「Do(やらせてみる)」「Check(評価・追加指導)」という「4段階職業指導法」に基づき、研修が進められます。4段階職業指導法について、紹介します。
 

「Show」

まず、実際の業務をトレーニーに見てもらいます。「どのようなことを」「どんな順番で」やっているのかを実際に見せることで、トレーニ―は業務の具体的なイメージを持ちやすくなるでしょう。
 

「Tell」

次に、その業務を行う意味や背景などを交えながら、業務内容について説明します。初めての業務や複雑な業務の場合、トレーニーが一度では理解しきれないことも考えられます。そのため、トレーニーからの質問を受け付け、不明点・疑問点を解決しましょう。
 

「Do」

業務内容を教えたら、次は実践です。トレーニーに、実際にその業務をやってもらいましょう。
 

「Check」

次に、「トレーニーの行った業務内容に問題がないか」「トレーニーに伝えきれなかったことがないか」を振り返ります。「Do」の反省点や今後に向けた改善点を伝えるだけでなく、「Tell」で教えきれなかった細かな注意点や作業などについても伝えましょう。
 
忙しいと、ついつい「Tell」や「Do」だけを行ってしまいがちですが、「Show」や「Check」も忘れずに行うようにしましょう。
 

OJTのトレーナーに必要なスキルと心構え

OJTを成功に導くには、実際にOJTを担当するトレーナーのスキルを高めると共に、トレーナーとしての心構えを持ってもらうことが不可欠です。OJTのトレーナーに必要なスキルと心構えについて、OJT実施前と実施中に分けて紹介します。
 

OJT実施前

OJTの実施前には、2つのことを意識し行動することが重要です。
 

自分自身の成長につながるという意識を持つ

トレーナーを任されることになった社員の中には、「OJTをしても、自分の得にはならない」と考える人もいるかもしれません。しかし、OJTには、「トレーナーの成長につながる」というメリットがあります。そのため、トレーナーは「OJTは自分自身の成長につながる」という意識を持つようにしましょう。その上で、「OJTを通じて、自分自身がどのように成長したいか」「どういうことを期待されて、トレーナーに任命されたのか」などを考えることが重要です。
 

目指すべきマネジメントスタイルを明確にする

人によって、マネジメントの仕方はさまざまです。そこで、「新入社員や後輩社員に対して、どのようなマネジメントをしていきたいか」を考えます。目指すべきマネジメントスタイルを明確にする際には、「仕事をしてきた中で、特に印象に残っている先輩社員や上司」「まだ会ったことはないけれど、理想とする上司」などを思い浮かべると良いでしょう。マネジメントスタイルが決まったら、その実現に向けた、具体的な目標を設定します。
 

OJT実施中

OJT実施中は、指導の基本とされるスキル・心構えを理解しながら、研修を行うことが重要です。
 

ティーチングとコーチングを使い分ける

指導の基本とされているのが、「ティーチング」と「コーチング」です。ティーチングとは「答えを相手に与えること」、コーチングとは「相手の中にある答えを引き出すこと」を意味します。
 
OJTの開始直後は、トレーニーに教えるべきことがたくさんあるため、「ティーチング」を意識した指導を行います。トレーニーが業務に慣れてきたら、臨機応変に対応できる応用力を習得してもらったり、自律的に行動してもらったりする必要があります。そのため、答えをトレーニー自身が見つけられるよう、「コーチング」を意識した指導を行います。このように、トレーニーの理解度に応じて、「ティーチング」と「コーチング」を使い分けましょう
 

オープン・クエスチョンで、トレーニーの理解度を確認する

ティーチングとコーチングを使い分ける際には、トレーニーの理解度を把握しておくことが重要です。相手の理解度を確認する際には、YesかNoかでは答えられない「オープン・クエスチョン」をすると良いでしょう。
 
オープン・クエスチョンの例としては、「この作業は、どのような目的で行っているのか」「次に、どういう対応が必要になるか」などが挙げられます。オープン・クエスチョンへの回答に対して、さらにオープン・クエスチョンを重ねることで、トレーニーの理解度もより高まるでしょう。
 

トレーニーの目標設定、進捗管理をサポートする

トレーナーには、「業務内容の指導」という役割だけでなく、「トレーニーの目標設定、進捗管理をサポートする」という役割もあります。
 
目標設定の際には、すぐにでも実現できそうな簡単な目標ではなく、頑張れば何とか達成できそうな「ストレッチゴール」を設定するよう、トレーニーに促しましょう。また、進捗管理については、「トレーニーから業務報告が上がってこない場合」や「業務の締め切り、OJT期間の終了が近づいてきたタイミング」などに、トレーナー自らがトレーニーの進捗状況を確認することが重要です。
 

伝え方を工夫し、トレーニーの能力・意欲を高める

最初から、業務を何の問題もなく行える人はほとんどいないでしょう。トレーニーを指導する際には、「相手を否定しない」「他の社員と比較しない」「失敗を過度に責めない」といったことを意識する必要があります。
 
また、トレーニーの成長を促すため、「できなかったこと」だけではなく、「できたこと」「良くなったこと」についても注目することが重要です。「ここは失敗してしまったけれど、他は上手にできていた」「以前はサポートしなければできなかった業務が、1人でもできるようになった」など、伝え方を工夫し、相手を褒めることで、トレーニーの能力や意欲を高めましょう
 
人事担当者やマネージャーの方は、OJTを実施する前にこれらのスキルや心構えをトレーナーを担う社員に必ず伝えましょう。
 

OJT導入フロー

OJTの導入フローを、順を追って紹介します。
 
OJTのフロー図
 

フロー①:OJTの目標設定

まず、OJTの目標を設定します。目標を設定する際は「OJT終了後、どのような人材に育っていてもらいたいか」「そのためには、どういったスキルの習得が必要になるのか」を明確にすることが重要です。目指すべき人物像は部門や職種などによって異なるため、OJTを実施するチームごとに目標を設定すると良いでしょう。
 

フロー②:トレーニーの現状把握

次に、OJTの目標と、トレーニーの現状のスキルにどの程度の開きがあるかを確認します。「PC操作がどの程度できるのか」「これまでに似たような業務の経験があるか」など、トレーニーごとにスキルチェックを行い、トレーニーの現状を把握しましょう。そうすることで、OJT計画を策定しやすくなります。
 

フロー③:OJT計画の立案

目標設定とトレーニーの現状把握が済んだら、OJT計画を立案します。目指すべき人物像にOJT終了後に到達できるよう、「どのくらいの期間をかけて、OJTを進めていくか」「まずは、何の業務からスタートするか」など、具体的な実施計画を考えましょう。併せて、「OJT期間の終了までに、●●の業務を1人でできるようにする」「▲▲業務に必要なスキルを習得する」といった目標の達成基準を定めておくことも重要です。
 

フロー④:トレーナーの選出

次に、トレーナーを選出します。トレーナーの選出基準としては、「トレーニーと年齢や社歴が近い社員から選ぶ」「面倒見が良く、トレーナーとしての適性がありそうな社員から選ぶ」「業務の難易度に応じて、最適な社員を選ぶ」といった方法があります。トレーニーとの相性やトレーナーとしての適性、研修内容などを考慮した上で、慎重にトレーナーを選出しましょう。
 

フロー⑤:トレーナーとのすり合わせ

OJTを効果的に進めていくためには、「企業の考えたOJT計画」と「トレーナーが考えているOJTの進め方」を統一しておくことが重要です。認識のズレが生じないよう、トレーナーとのすり合わせを行いましょう。
 
すり合わせでは、OJTの目的やOJTを行う上での注意点などをトレーナーに説明します。初めてトレーナーを担うことになった社員に対しては、トレーナーとして必要となるスキルや心構えについても伝えましょう。併せて、トレーニーに対しても、OJT終了後に目指すべき人物像や研修の全体像について説明することが重要です。
 

フロー⑥:OJTの実施

OJTを始める準備が整ったら、トレーニーを配属先に迎え入れます。トレーナーの指示のもと、速やかにOJTを実施しましょう。OJT期間中、トレーナーは進捗状況を確認しながら、今後に向けた改善点をトレーニーに伝え、トレーニーの成長を促します。
 

フロー⑦:目標の達成度の評価とフィードバック

OJTの期間終了後には、最初に設定した目標の達成度を評価します。OJT期間中に「1人でどういった業務をできるようになったか」「どのようなスキルを習得したか」などを確認しましょう。
 
企業側の独断で評価をするのではなく、トレーナーや上司の意見、トレーニーの自己評価も参考にしながら、総合的に評価をすることが重要です。評価をする中で見つかったOJTの「良かった点」「改善すべき点」は各チームにフィードバックし、次回以降のOJTの改善につなげましょう。
 

OJTの効果を高めるための手法・注意点

OJTの効果を高めるためには、さまざまな工夫や配慮が必要です。OJTの効果を高めるための手法や注意点について、紹介します。
 

OJTを現場任せにしない

OJTを行う際、最も注意が必要なのが「OJTを現場任せにしない」ということです。現場任せにすると、トレーニーが放置されてしまったり、トレーナーの負担が過度に増えたりしてしまい、離職につながりかねません。人事部が主体となり「OJTの全体計画を考える」「OJTのマニュアルを作成する」など、現場がOJTを進めやすくなるように配慮しましょう。
 

OJTとOFF-JTと併用する

OJTとOFF-JTのメリット・デメリットには関連性があるため、OJTのデメリットを補う方法として、OFF-JTは有効です。OJTとOFF-JTを併用することで、トレーニーのさらなる成長が期待できます。OJTとOFF-JTの特徴を理解した上で、OJTとOFF-JTを使い分けましょう。
 

社員全員がお手本になるという意識を持つ

OJTはトレーナーが主体となって進めるものですが、OJTの効果を高めるためには他の社員の協力も必要です。トレーナーだけが指導する側としての心構えを持つのではなく、社員全員がトレーニーのお手本になるという意識を持つようにしましょう。そうすることで、OJTをチーム全体でフォローする体制が整います。また、「自分は歓迎されている」という気持ちがトレーニーに芽生えるため、OJTにより前向きに取り組めるようになる効果も期待できるでしょう。
 

トレーニーのメンタルサポートも併せて行う

OJTでは「業務の習得」が重視されるため、トレーニーのメンタルサポートは後回しになりがちです。OJTで実践的なスキルが身についても、人間関係や新社会人になったことへの不満を抱えていては、モチベーションの低下や離職につながる可能性もあります。
 
そこで、OJTを実施する際には、トレーニーのメンタルサポートも併せて行うようにしましょう。メンタルサポートの例としては、上司と部下との1対1で面談により部下の本音を引き出す「1on1」や、同じ部署の先輩社員が後輩社員のサポートをする「ブラザーシスター制度」などが挙げられます。

 

さまざまな工夫により、OJTの効果を高めよう

実務を通じた教育訓練であるOJTには、「早期戦力化が期待できる」「トレーナーのスキルアップにつながる」といったメリットがある一方で、「現場任せや、単なる放置になる」「トレーナーの負担が増大し、業務に支障が出る」といったデメリットもあります。OJTを実施する際は、トレーナーに必要とされるスキル・心構えを伝えた上で、導入フローに沿って進めていくことが重要です。
 
「OJTを現場任せにしない」「OJTとOFF-JTと併用する」といった工夫により、OJTの効果を高めてみてはいかがでしょうか。