社内外のコミュニケーションと関係性をよりよくしたい!disagreeをagreeしよう推進係&ナラティブに橋を架ける会

こんにちは。ライターの塩原です。
はたらクリエイトでは、社内のメンバーやクライアントさんとよりよい関係性を築き、仕事を通して「ともに成長していく」ための知識を学び・体感して、社内に浸透させるための取り組みを定期的に行っています。そのうちの一つとして「disagreeをagreeしよう推進係」と、そこから発足した「ナラティブに橋を架ける会」が行われました。
今回は、その2つが生まれた背景や込められた想い、活動の内容についてご紹介します。

「disagreeをagreeしよう推進係」「ナラティブに橋を架ける会」とは

「disagreeをagreeしよう推進係」とは、一人ひとりの「はたクリビジョン(ありたい姿)」を応援しあう仲間とともにさまざまな取り組みを行う「ユニット活動」の一環として実施した係活動の1つです。

「相手を想像する力」や「立場や価値観が違う人とも”ともに成長するチーム”をつくる力」「アサーション力(自分と相手が率直に自己表現しながらお互いに尊重しあうためのコミュニケーションスキル)」を磨くことを目的として活動を行いました。

そして、「disagreeをagreeしよう推進係」で得た知識を、実践を通じてスキルとして身につけるために発足した有志活動が、「ナラティブに橋を架ける会」です。

disagreeをagreeしよう推進係が生まれた背景

まずは、disagreeをagreeしよう推進係が生まれた背景をご紹介します。

はたクリのビジョンやバリューを楽しく・気持ちよく進めていくためのヒントを得たかった

はたらクリエイトでは、「はたらくをクリエイトすることで仕事を楽しむ人を増やす」というミッションのもと、各サービスのビジョンと4つのバリューを定義し、日々の業務の根幹としています。

ミッション・ビジョン・バリュー

disagreeをagreeしよう推進係は、『banso.』のサービスビジョンである「ともに成長するチームをつくろう」と、バリューの1つ「disagreeをagreeしよう!」を楽しく・気持ちよく進めていくためのヒントを得たい、という想いから生まれました。目の前のことを一つひとつ積み重ねていき、お互いを意識的に称賛する文化を厚くしていくことをゴールに掲げています。

社内外のコミュニケーションをよりよくしたかった

disagreeをagreeしよう推進係について、今回の係活動を提案した係長の森さんはこのように語っています。

マネージャーとして社内外の人と接する機会が増えていく中で、私自身、コミュニケーションへの悩みや課題を感じていました。自分の中に正解を持ちやすく、それを進めようとしても「うまく進まない…なぜだろう…」と思うことがあったんです。
そんな時、『他者と働く』という本に出会い、コミュニケーションのモヤモヤがどういう仕組みで起きていたのかを理解することができました。
これを自分の中に落とし込むだけでなく、はたクリのスタッフを共有することで、クライアントや社内のコミュニケーションよりよくしたい、という想いから、今回の係活動を提案しました。

ユニット活動の1つとして実施

はたらクリエイトでは2021年の上半期(4~9月)に、4月に決めたメンバー一人ひとりの「はたクリビジョン(ありたい姿)」とそれを後押しするスキルの習得を応援しあう取り組みとして、16のユニットに分かれて「ユニット活動」を行いました。

「disagreeをagreeしよう推進係」は、各ユニットから1名ずつを選出する形で発足。ビジョンやバリューを体現するスキルや知識を身につけ、よりよいコミュニケーションを行うための知識やノウハウをユニットに広めることを目指して、活動を進めていきました。

disagreeをagreeしよう推進係の活動内容

disagreeをagreeしよう推進係の、活動の流れと内容をご紹介します。

図書活動で推薦図書を読み込み、ユニットで発表

ユニット活動では、スタッフ全員が1人1冊ずつ自分のスキルアップに役立ちそうな本を選び、ユニット内で本の内容をシェアし合う「図書活動」を実施しました。

disagreeをagreeしよう推進係は、推薦図書である、組織づくりをテーマとし「HRアワード2020」書籍部門最優秀賞受賞作を受賞した『他者と働く』(宇田川元一著)を精読。その後、ユニット内で共有するための資料を作成し、発表しました。

『他者と働く』の発表スライド1

係メンバーで読書会(リレープレゼン)を実施

『他者と働く』の発表スライド2

次に、さまざまなagreeの仕方を知り、深めた知識をどう広めていくかを考えるために、係内で読書会を開催しました。『他者と働く』の前書きから7章までを章ごとに8つに分け、担当を割り振り。担当章ごとに内容を1枚の資料にまとめ、2日間に分かれてリレー形式のプレゼンを行いました。

『他者と働く』の発表スライド3

全員の発表後、共有された資料を見返し、「なるほど!」「いいね!」「ここ大事!」と思った箇所に「♡」を置いていきます。

最後は「読書会で得た知識・スキルをどう活かしたいか」をテーマに、「誰のdisagreeをagreeしたいか(Who When)」「どんな方法で推進していきたいか(How)」「できそうなことは何か(What)」をディスカッションしました。

ディスカッション

「どんな方法で(How)」「何をするか(What)」を、さらに「自分自身への落とし込み」と「他者への推進」に分けることで、観点がより明確になりました。

総括と「ナラティブに橋を架ける会」の発足

2日間の読書会を終え、係全員が集まった総括では、「自分が出した意見や他の人の意見を見て改めて感じたこと」「実行してみたこと」などを話し合いました。

その際、メンバーから「ナラティブ(解釈の枠組み)についての知識を広めたい」という声が多く挙がる一方で、「具体的に広めていく方法が思いつかない」「できることを一緒に考えたい」「普段の業務で実践してみると理解が深まるかもしれない」といった声も聞かれました。

そこで、係活動で得た知識を実践に落とし込む活動として、「ナラティブに橋を架ける会」を発足することになったのです。

「ナラティブに橋を架ける会」の活動内容

活動内容

ナラティブに橋を架ける会は、disagreeをagreeしよう推進係で得た知識をスキルに落とし込むことで、より実践的に役立てることを目的とした有志の活動です。実際の活動内容をご紹介します。

現状の課題の把握と課題解決のためのワークを実施

一人ひとりが現状から課題を考え、課題解決に向かうためのワークを行いました。

①【準備】溝に気づく

まずは、「不安なこと」や「問題を解決するにあたりキーマンとなりそうな人」「問題が起きているときの私の心の中のつぶやき」「問題が起きているときの私のキーマンに対する態度」「問題に対する私のナラティブ」を整理し、相手と自分との間の溝(適応課題)に気付くようにします。

ナラティブに橋を架ける会1

②【観察】溝の向こう側を眺める

次に、「相手の持っている価値観や果たすべき役割、環境変化が起きやすい時期など」や「問題が起きていないときの相手のふるまい」「問題が起きているときの相手のふるまい」を書き出し、溝の位置や形を探ります。

ナラティブに橋を架ける会2

③【解釈】溝をわたり橋を設計する

続いて、自分のナラティブを横に置き、相手になりきって「問題が起きているときに生まれる心の中のつぶやき」や「問題が起きているときの『私』の言動や態度に対して思うこと、『私』に求めること」「問題に対する相手のナラティブ」について考えます。

ナラティブに橋を架ける会3

④【解釈】溝をわたり橋を設計する

書き出したものをペアで発表し合い、「自分と相手との間にあった溝(適応課題)はどのようなものだったか」と「これまでのリソースを踏まえてどのような場所に橋を架けるか」を考え、言語化します。

ナラティブに橋を架ける会4

⑤最初の一手宣言

これまでのワークの内容を踏まえて、自分と相手との間に橋を架けるための最初の一手を設定し、宣言します。

ナラティブに橋を架ける会5

この例の他にも、「相手との分担をより明確にする」「質問事項の優先度を明確にし、期日を設定する」「遠慮を捨てる」「勉強会を開いてもらう」「お互いの目指すゴールを思い描く」などの一手が宣言されました。

チャットツールの活用

ワークで設定した「最初の一手」は、社内のチャットツールでも宣言。チャットツールは、実際に橋を架けるために行ったアクションの報告や、行動して感じたことをシェアしていく場として活用しています。つぶやきに対して、実際に行動したことを称えあったり、感じたことをさらシェアしたりすることで、お互いを高め合っています。

今後の展開

現在は、ナラティブに橋を架ける会に参加したメンバーそれぞれが「ワークで設計した橋を架ける」ことを試みている期間です。すぐにできるものもあれば徐々にやっていくものもあり、ペースやタイミングも人それぞれ。

今後は「橋を架けてみてどうだったか」「架かっていなかった」「何度も架けなおした」というような話をメンバー間で共有し、改めて活動内容や取り組み、成果や想いを社内全体に発信し、知識やノウハウを広めていきます。

スタッフの声

disagreeをagreeしよう推進係やナラティブに橋を架ける会の活動を通しての感想を、スタッフに聞きました。

【disagreeをagreeしよう推進係について】

●はたクリの人たちは、相手のナラティブを尊重している人が多いのかなと感じました。チームの人が困っていることがあれば、橋を架けるお手伝いをしたいです。
●「自分と相手それぞれにナラティブがある」ということを広めたいと思いました。そして、「橋を架けようとする気持ちが自分を助けるんだよ」と伝えたいです。
●『他者と働く』の同じ章を読んだ人の発表資料を見て、自分とまったく違う切り口だったことに驚きました。同じものを読んでも捉え方はまったく違うという、溝の向こうを眺められました。
●日頃子どもに「相手の立場に立って考えて」と言っていることが、自分にも当てはまると感じました。

【ナラティブに橋を架ける会について】

●相手のことをよく知って、想像して、それに合わせてアプローチする、対話するということを、大切にしたいです。
●家族や友人など、「私とあなた」の関係であれば普通に行っているコミュニケーションが、仕事になると「私とそれ(クライアント・上司など)」になりがちになっていることに気付けました。働くうえでも橋を架けて「私とあなた」の関係になれれば、いろいろな難しい問題を一緒に解決できる関係性になっていくのではと思いました。
●ワークを通して自分自身の状況を言語化することで、課題が明確になりました。今回学んだことを活かして、自分も相手も気持ちがよいと思えるコミュニケーションがとれるようにしていきたいです。

スタッフの声を受けて、係長の森は次のように話します。

disagreeをagreeしよう推進係は「推薦図書を読む人をユニットで1人選出する」ところからのスタートです。なので、係活動を始める前は、メンバーに受け身な部分もあるのでは、という不安もありました。けれど、実際には、みんなが活動に積極的に取り組んでくれたことに驚きました。スライドの完成度も高かったです。
ナラティブに橋を架ける会は有志の研修で業務の合間を縫って参加しなければいけないということもあり、集まるのは3人くらいかなと想定していました。実際はメンバーの半数以上である9人が参加。知識やスキルを必要としてくれることや「もっと学びたい」という意欲が高いことが伝わってきて、皆さんのそうした姿勢に私自身が感化されました。

disagreeをagreeする土壌を醸成し、一層「はたらくをクリエイト」していきます

ユニット活動の一環としてスタートした「disagreeをagreeしよう推進係」。知識を得るだけでなく実践につなげられるように、有志活動「ナラティブに橋を架ける会」に発展しました。

自分と相手に橋を架けることを心がけると、互いに気持ちのよいコミュニケーションを行うことができ、よりよい関係が築けるのではないかと思います。今回得た知識やスキルを胸に、私たちはこれからもdisagreeをagreeする組織文化を大切にしながら、はたらくことを楽しんでいきます。