【クロストーク】パラレルワーカーって楽しい!複業する理由や得られるもの

パラレルワーカー

はたらクリエイト(以下「はたクリ」)では、2022年7月現在、約130名のメンバーが働いています。子育て中の女性が多く活躍するはたクリですが、最近では、はたクリでの業務にとどまらず複業にも挑戦するなど、多様な働き方を実現するメンバーも増えてきました。

そこで今回は、パラレルワーカー(複数の仕事やキャリアを並行して働く人のこと)として活躍する早坂さん、宮嶋さん、清水さんの3名に、はたクリと複業先、家庭とのバランスの取り方や、複業によって「はたらくをクリエイト」している点について聞きました。

メンバー紹介

【スクール講師】早坂さやかさん

・三児(小5、小4、年長)の母。2017年8月、はたクリの1期メンバーとして入社。・完全未経験でのライター経験を経て、現在はグループ会社「株式会社TSクラウド」の士業向けDXサポートサービス「mieteru.」の事業責任者。

・コミュニティ『ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会』(ノンプロ研)に所属し、Google Apps Script講座の講師・ティーチングアシスタントを務める。

【農業】宮嶋舞さん

・一児(3歳)の母。2020年8月入社。・現在は自社メディア「長野のこのへんサンライン」の他、Webコンテンツの制作やインタビュー記事の執筆を担当。

・夫が代表を務める『はたけや農場』にて、年間12品目の野菜を栽培期間中農薬・化学肥料不使用で栽培中。

【クラフト】清水朝陽さん

・二児(年中、2歳)の母。2019年4月入社。・現在は、クライアントのWebサイト運用サポートを行いながら、カメラチームとして社内の撮影業務を担当。

・『slow』の屋号で、主に真鍮を使用したアクセサリーを制作。オンラインでの販売を中心としつつ、イベントなどでも出店を行う。

これまでのこと

前職や、はたクリ入社のきっかけについて教えてください。

早坂:結婚をして長野県に引っ越してきてからは、ずっと子育てに専念していました。末っ子が幼稚園に入園したら仕事を始めようと考えていたのですが、はたクリの「託児所付き」というライターの求人を見かけて応募したのが入社のきっかけですね。

託児所に子どもを預けながらライター業務に初挑戦し、その後はデータ整備やSNS運用、自社システム部門などの立ち上げを経験しました。パートタイマーから短時間正社員を経て、現在はフルタイム正社員として働いています。

宮嶋:私は結婚前、青年海外協力隊としてセネガルで環境教育に従事したり、JICA(独立行政法人国際協力機構)で勤務したりと、さまざまな経験をしてきました。その後、結婚を機に長野県に移住して、子どもを出産したんです。

長野に来てからは、車の運転が苦手なので、自宅という限られた空間の中で自力で楽しむことに限界を感じていて、子どもが0歳のときから働こうと考えていました。使い方を忘れないためにも、可能ならパソコンを使った仕事をしたいと思っていたときに知人から紹介されて、はたクリに応募しました。

清水:結婚をして長野県に来るまでは、東京でアパレルのオンラインショップを担当していました。上田市に来てからはオンラインの仕事やカフェでアルバイトをしていましたが、上の子の妊娠と出産を機に退職。知り合いがいない土地で子育てに向き合っている中で「もっと外とつながりたい」と感じていたときに、はたクリのオフィス前に貼られていたポスターで「託児所付き」というキーワードを見て、応募を決めました。

早坂:やっぱり、託児所があるのはありがたいですよね。母になってから社会復帰することを後押ししてくれるなって感じました。

清水:他にないですよね。入社当時託児所に預けていた上の子は、もう幼稚園に入園しましたが、第2子の産休・育休を経て、今は下の子が託児所でお世話になっています。

現在のこと、複業について

クロストークの様子

改めて、複業の内容ときっかけを教えてください。

清水:私は真鍮をつかったアクセサリーを制作しています。もともとモノを作ることが好きで、学生時代も美術関係のことを学んでいたんですが、社会に出てそれを生かすということは全くできていなかったんです。上田に来たばかりでまだ仕事を始めていなかった頃、純粋に自分の興味のあることに取り組んでみようと思い、彫金教室に1年間通って勉強しました。妊娠・出産でそれもお休みしてしまっていたんですが、「学んだことを生かしたい」「自分でも何か創りあげていきたい」と思うようになり、育休中にアクセサリーを制作して販売するようになりました。

早坂:いまつけているピアスも素敵です!

宮嶋:ピアスの他にも何か作っているんですか?

清水:イヤリングにできるものもありますが、基本的にピアスばかりですね。作る物の種類も改めて考えると、「自分が好きで身に付けたい」と思うものなんですよ。以前はネックレスをしていた時期もあったんですが、子どもに引っ張られてしまうので…最終的に子育てをしながらも自分が身に付けやすかったアクセサリーがピアスだったので、そればかり制作していました。でも、最近はもう少し幅を広げて作ってみようと、指輪を試作中です。

早坂:好きなものを「購入」するのではなく、「作る」ってすごいですよね。

清水:自分で作っているのは、地方にいることも大きく関係しているかもしれません。東京にいたときは欲しいと思ったものをどこかしらのお店で買うのも簡単にできたけど、地方ではなかなか見つけることが難しいなと。だから余計に「作りたい」という気持ちになるんだと思います。東京にいたら多分作っていなかったですね。

宮嶋さんと早坂さんはいかがですか?

宮嶋:私は、2021年に夫が新規就農者として独立したことがきっかけで農業に携わって、今2年目です。昨年はたクリの仕事と兼務で農業してみたら、農業している時間のほうが長時間になってしまっていたんです。これは「はたクリの仕事の割合を減らさないと成り立たないな」と思い、HR担当者や取締役に相談して、現在は農業をメインにしながら働けるよう勤務時間を調整させてもらっています。我が家は、夫が専業で農業に従事し、私は兼業しているという形ですね。

早坂さんは、はたクリの業務にも関わるお仕事をしているんですよね?

早坂:プログラミングの講師と、ティーチングアシスタントをしています。きっかけは、「mieteru.」を立ち上げて私自身がしっかり学ばなければならないと考えて、ノンプロ研というコミュニティのプログラミング講座を受講したことです。受講後に主催者の方からティーチングアシスタントをやってみないかとお声掛けいただきました。私の場合仕事に直結していたので、ありがたくお受けして、その後は講師として計4回の講座を担当させてもらいました。

どのようにワークライフバランスを維持していますか?

清水:下の子の育休中はお昼寝の時間に作業をしていましたが、復帰後は子どもが寝た後、早くて21時半から、遅いと24時くらいまで作業していますね。「眠い」「寝てしまいたい」と思うこともありますが、せっかくの自分だけの時間は夜しかないので、そこに純粋に自分のやりたいことをあてられたらいいなと思いますし、楽しいという気持ちの方が上回るから続けられているのかなと思います。

宮嶋:農業を手伝ってくれているパートさんも自分と同じように幼稚園児や小学生のママなので、昨年は「夏休み期間中が出荷量のピークなのに、パートさんが出勤できない!」となってとても大変だったんです。夕方ギリギリまで保育園にお世話になりながら、子どもにも付き合ってもらって何とか乗り越えました。

今年は農場でフルタイムスタッフを雇用し、作業人員を確保しています。私の一日のスケジュールも、午前中が農業、午後の13時から17時がはたクリの業務、というのが基本的なパターンです。去年よりもはたクリの勤務時間を減らしてもらったことで、かなり融通がきくようになりました。

清水:朝から肉体労働をしたら疲れるんじゃないかと思いますが、午後デスクワークをするのは大変じゃないですか?

宮嶋:大変さはあまり感じていなくて、どちらか1つの仕事をするよりは、2つともやっている方がバランスがとれている気がします。はたクリって新しいことをたくさん知れるんですよね。新しい情報をインプットして、アウトプットしてお仕事を完成させるというプロセスにとてもやりがいを感じます。一方で、農業は単調な作業も多いですが、目の前のやるべきことに没頭し集中できるんです。どちらかだけだと物足りないと思います。

それから、はたクリの「スキルアップ制度」を活用して早坂さんのノンプロ研GAS初心者講座を受講させてもらって、学んだことを農業にも活かせたのも大きな変化でした。

早坂:講座を社内に告知したところ真っ先に手を挙げ、2カ月間受講してくれたんですよね。講座は毎週平日夜に2時間開催していたので、なかなかハードだったのではと想像しますが大丈夫でしたか?

宮嶋:そのお陰で、いろいろな作業が楽になりました。今は勤怠表や給与計算を全てGoogleを使用して行っています。早坂さんこそ、講師の生活は大変じゃなかったですか?

早坂:子どもたちが大きくなって手が離れてきたので、自分のことは自分でやってくれて助かっています。準備を含め、講座のための時間を確保するために、家族には大分協力してもらっていますね。

複業は、はたらくをクリエイトすることにどのようにつながっていると思いますか?

宮嶋:農業に興味を持ってくださって、話や人脈が広がることです。自社メディア「サンライン」は”長野県東信地区(通称サンラインエリア)で面白いと思ったヒト、コトをシェアしていく”というのがコンセプトなのですが、ライターの自分にも当てはまると思っています。

海外に行っていた経験も踏まえて、「ローカルに生きる」って生きていく根本な気がしていて、実践できているというのはすごくありがたいです。一方で、今の時代って、例えば発展途上国と言われる国の地方の農村でも、携帯電話とバイクを持っていれば世界が変わるんですね。それらを持っていれば移動手段もあるし、外とつながる手段もある。私にとってはそれがはたクリなのかなと思っていて、農業だけでは見えない世界が広がることがやりがいです。

クライアントさんにも農業に興味のある方がいらっしゃって、楽しく談笑しながらつながれていることがありがたいですね。

清水:人との縁ができる、というのは私も実感しています。これまではずっとインターネットで販売していたんですが、今年の5月には、はたクリメンバーの1人と一緒に初めてポップアップ出店をしました。はたクリにいなかったら1人ではなかなか踏み出せず、実現しなかったと思います。先日も、別のメンバーからのつながりで出会った方のイベントに出店させてもらいました。

リアル出店もそうですが、人とつながることが自分の行動に作用しているということも感じています。複業をやっている前に比べて、仕事や生活でも人と深く関われるようになりました。複業の存在があるからこそ、はたクリの仕事も楽しくできているのかなと思います。

それから、はたクリの「部活動」でデザイン部に所属していて、部活を通してものづくりが好きな方とつながれたのもいい刺激になっていますね。

早坂:デザイン部、盛り上がっていますよね。

清水:そうですね。デザインといっても幅が広く、「つくる」「描く」「写す(写真)」とさまざまです。さまざまなジャンルがある中で、興味のある話題に気軽に入っていけるので、とても楽しいです。

早坂さんはどうですか?もともとプログラミングに詳しい方なのかと思っていたんですが、はたクリに入社してから勉強したというのを聞いて驚きました。

早坂:入社前は表計算ソフトに触れたこともなかったので、使い方の基礎から教えてもらいました。「こんなことできるんだ」「もっとこんなことできないかな」という興味が今につながっています。清水さんが言っていた”限りある自分の時間を何に使うか”というのは、私も人生の課題だと思っていて、新しいことに常に挑戦していたいというのは、はたクリの業務でも複業でも変わらないですね。

2つの仕事は大きい括りで言うと一緒ですが、複業の方でしかやっていないこともあるんです。それぞれの目指す方向が少しずつ違っているけれど、真ん中では重なっているということが今の自分に合っている感じがして楽しいですね。どちらの仕事もできるという環境が、すごく恵まれていると思っています。

今後のこと

今後はどのようなはたらき方をしたいと考えていますか?

清水:どちらの仕事も私には欠かせないので、はたクリの仕事と自分のやりたいことのバランスをみながらこれからも続けていきたいと思っています。来年は下の子が幼稚園に入園する予定なので、そこで新しい生活のスタイルを考えていきたいです。

早坂:今、「インストラクショナルデザイン(学習効果が得られる教育内容を、システム的なアプローチによって設計すること)」や「越境学習」に興味を持っていて、複業先のコミュニティで講座を受講しています。今後は学んだ内容をはたクリのチームビルディングや研修づくりに活かしたり、「mieteru.」のサービス内容につなげたりしていきたいですね。

宮嶋:農業は家業としてこの先も続けていきたいですし、とてもやりがいのある仕事だと感じています。その家業でスタッフを雇用してまでも私がはたクリを続けていく理由は、「多くの人との出会いの機会」や「外で働くことでより深く地域を知れる」ことに魅力を感じているからだと思います。これからも両方兼任していきたいです。

編集後記
はたクリでの仕事と複業の仕事、家庭が、それぞれプラスに作用しているーー。3名とも、とても楽しそうにお話されているのが印象的でした。私も、3名の方と一緒に、自分のカラーではたらくをクリエイトしていきたいと感じました。(ライター:塩原)

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