新人スタッフの目標達成を後押しする「入社3カ月ステップシート」。取り組みに込めた思いなどを紹介

入社3カ月ステップシート

こんにちは、ライターの澤です。
はたらクリエイトでは、研修期間中の新人スタッフを対象に「入社3カ月ステップシート」というツールを使って、目標達成を目指しながら自分の強みや課題を見つけていく取り組みを行っています。今回は「入社3カ月ステップシート」の目的や生まれた背景、活用方法などをご紹介します。

「入社3カ月ステップシート」とは

「入社3カ月ステップシート」とは、研修期間中の新人スタッフを対象とした目標管理シートのことです。研修期間中に達成したい目標を「業務」「コミュニケーション」「ライフワークバランス」の3つの観点に分け、自身の成長を感じながら業務を進められるよう、1カ月ごとにクリアしたい項目を設定しています。

「入社3カ月ステップシート」の目的

業務と並行して「入社3カ月ステップシート」を使用することで、自分の得意・不得意を認識し、強みを伸ばしていくことが目的です。一つひとつの目標をクリアしながら、できていることを認識して自信につなげるとともに、達成できない項目があってもプレッシャーに感じるのではなく、「どうすれば達成できるか」「誰に相談するとよいか」というように、乗り越える経験を積むことを大事にしています。

また、はたらクリエイトには子育て中の女性が多く働いているため、仕事と家事や育児の両立を重視するスタッフも多くいます。「ライフワークバランス」の悩みや不安を解消できないことが原因で働きづらさを感じないよう、業務面の目標だけではなく、「ライフワークバランス」の項目も設定。研修期間中に「自分は月に何時間働くのがベストなのか」「自分に合った働き方ができているか」を確認できるようにしています。

「入社3カ月ステップシート」が生まれた背景

これまでは、研修期間終了時に本人の業務の達成度状況を確認する「業務達成度チェックシート」というものだけを使用してきました。「業務達成度チェックシート」は業務に関する評価項目が主で、「コミュニケーション」や「ライフワークバランス」の観点が含まれていませんでした。

また、研修期間終了時にまとめてチェックするため、新人メンバーの立場からは「自分が成長できているのかわからない」、マネジメントの立場からは「フェーズにあわせたフォローをしづらい」といった声が生まれていました。

そこで、より使いやすく・楽しくステップを踏んでいけるツールを作ろう、と担当マネージャー・HR担当者で企画・制作をスタート。まずは、「3カ月後にどのようになっているといいか」を想像し、それに必要なアクションの洗い出しや項目の見直しを行いました。

その後、社内デザイナーとともにかたちにし、2021年8月から使用を開始しています。

ジャムボード

「入社3カ月ステップシート」の使用方法

1カ月ごとに設けられた「業務」「コミュニケーション」「ライフワークバランス」の項目ステップをクリアするごとに、「切手シール」を貼ってゴールを目指します。使用するツールの特徴とルールをご紹介します。

ツール①:入社3カ月ステップシート(台紙)

入社3カ月ステップシート(台紙)には、はたらクリエイトが掲げるミッション・ビジョン・バリューを記載。1カ月目をスタートとし、山登りをするように3カ月目のゴールを目指します。頂上までの途中に困ったときの休憩所(相談先)を設定。個人で達成するのではなく、みんなで達成することを意識できるように工夫しました。

1カ月目は「文章チェックなし」や「不明点の確認」など、自分自身の目標がメインです。2カ月目は「急な休みの対応」や「締め切り対応」など、チームの一員としての目標を設定。3カ月目は「研修期間終了時に目指す姿」を示しています。

新人スタッフが楽しみながら目標達成に向かえるように、項目には「〇〇できる」といった表現は使っていません。「シールを貼れた=できた」とわかれば十分だと考えています。シールを貼る「タイミング」や「順番」は、人それぞれ。シールが貼られていない穴を見つけたら、先輩スタッフが声をかけたり、フォローしたりしています。

【ルール】
 順番は問わず、達成できた項目からシールを貼る

ツール②:切手シール

達成できた項目に貼る「切手シール」も山登りにちなんだ絵柄にしました。デザインチームのスタッフが手掛けたデザインは、かわいいと好評です。「業務」「コミュニケーション」「ライフワークバランス」で色分けしたことでそれぞれの達成状況がわかりやすく、遅れ気味のスタッフには「どこに悩んでる?」と、早めに声掛けができるようになりました。

【ルール】
 ●切手シールはそれぞれの担当者と一緒に貼る
 (業務:ディレクター、コミュニケーション:シスター、ライフワークバランス:HR)

ツール③:〇〇さんの「すご!」ポイント

新人スタッフの「すご!」と思うポイントを、ディレクター、シスターのみではなく、他のスタッフもふせんで書き込めるツールです。取り組みを初めて約1カ月ですが、余白部分が付箋コメントで埋まることも少なくありません。特に、内面を評価するコメントが多いです。私たちは、スタッフ同士で「いいところを見つけること」「言葉にすること」が大切だと考えています。自分を見てくれている人がいるとわかると、喜びやモチベーションアップにつながります。

「すご!」ポイントに書き込まれたメッセージをご紹介します。

・何事にも臆せず質問したり、業務に取り組んでいるところ!よく気が利くところ!すごいです。
 ・慎重で丁寧!一つひとつ確実に仕事を進めていて、素敵な強みだなと思います。
 ・ストップウォッチを使って時間を意識して業務にあたったり、わからないときは積極的に質問したりと前向きな姿、素晴らしいと思います。

スタッフ同士のコミュニケーションを活性化する2つのポイント

入社3カ月ステップシートには、スタッフ同士のコミュニケーションを活性化するための仕掛けもつくっています。コミュニケーションのきっかけとなる2つのポイントを解説します。

ポイント①:オフィスの壁に掲示して、みんなで目標達成をサポート

入社3カ月ステップシートはオフィスの壁に掲示して、全スタッフが見られる状態にしています。研修期間中は関わる人が限られるため、新人スタッフの取り組みを他のスタッフにも知ってもらうことが大切です。他のスタッフの目に留まることで、「新人スタッフを孤立させない」「一人ひとりの進捗状況がわかり、フォローやアドバイスをしやすい」といった効果が期待できます。

一方で、オフィスの壁に掲示すると新人スタッフがプレッシャーを感じすぎてしまうのではないか、という懸念もあったため、新人スタッフが楽しく取り組める方法を探りました。取り組みについて説明する際は、「達成することだけがゴールではなく、できなかったときの対応をしっかり考えよう」「みんなでフォローしあってクリアしていこう」と伝えるようにしています。

ポイント②:困った時の相談先を明確にする

困った時の相談先を明確にできれば、新人スタッフが一人で悩む時間を減らせると考えました。業務に関する相談は「ディレクター」、コミュニケーションに関する相談は新人スタッフの姉役で相談相手の「シスター」、ライフワークバランスに関する相談は「HR」と担当者を決めて、「誰に聞けばいいんだろう?」という小さなつまずきを解消。目標達成時の切手シールも、それぞれの担当者と一緒に貼ることをルールとしました。切手シールを貼るタイミングで達成状況を確認したり、相談できたり、ちょっとしたコミュニケーションが生まれます。ここで重要なのが、新人スタッフから働きかけるという姿勢です。研修後も自分の課題を探して、誰かに相談できるようになってほしいと考えています。

スタッフの声

入社3カ月ステップシートを実際に使用した新人スタッフの声をご紹介します。

・スキルシートでお互い理解していることが見えやすかった。
 ・スキルシートのタスクと自分のスキルが可視化されていることがよかった。
 ・すごポイントで相手の強みを言語化できたり、気付きにつながったりした。
 ・自分のできていること、まだできていないことがわかりやすくてよかった。
 ・目標として達成できていないことを意識できた。

入社3カ月ステップシートのメリットを感じて、活用しているスタッフが多いようです。

まとめ

新人スタッフの目標達成を後押しする取り組みの一つとしてスタートした「入社3カ月ステップシート」。「オフィスの壁に掲示してみんなでフォローする」「相談先を明確にする」など、新人スタッフが楽しく前向きに取り組めるように工夫を重ねてきました。一歩ずつステップを踏みながら、新人スタッフ一人ひとりの「はたらクリエイト」を後押しできるよう、今後も改善を重ねていきたいと考えています。

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